JEVRA参戦車両に見るEVの可能性~その1

 日本電気自動車レース協会(JEVRA)が主催の2011 ALL JAPAN EV-GP SERIES。まだまだ内燃機関搭載車に比べ、性能の劣る面も多いEVにとっては、このレースはまさに「現代の走る実験室」と言える。そこで、今回はこの袖ヶ浦戦を戦った車両をクローズアップしてみたいと思う。

 今回採り上げるのは、市販車改造クラスに参戦している車両だ。つまり、エンジンを取り除いて、代わりにモーターと電池を搭載するコンバート車両である。実はこのコンバートモデルというのは、コンセプト的には、大昔から存在する。今回、トヨタAE86をベースに、千葉県自動車大学校がエントリーさせているマシンも、市販車改造のコンバートモデルだ。

JEVRA01リチウムイオンバッテリーの搭載を今期の課題としたハチロク。袖ヶ浦のレースに向け6月末から実習を開始して、突貫工事に近いスケジュールで完成にこぎつけた。このレースがシェイクダウンであった。

 この学校がコンバートEVを教材として使用し始めたのは10年近く前だという。実際に学生たちに、ものづくりの技術力を身につけるのにうってつけ、なのである。このハチロクEVも、毎年11月3日に開催される日本EVフェスティバルに向け、毎年進化を続けてきた。

 それが今年極めて大きな変貌を遂げた。これまでの鉛バッテリーに代えて、高価なリチウムイオン電池を搭載したのだ。近年、特に昨年から今年にかけて、中国製のリチウムイオン電池が、性能的に安定してきており、さらに値段的にも非常に買いやすくなってきたという。

 鉛バッテリーに比べ、軽量小型にすることができ、充放電の能力が大きいというメリットに見合う価格と要求性能が満たされた、ということだろう(もちろん、バッテリーの交換によってまた新たなデータを取り直す必要はある)。今現在、コンバートEVの世界では鉛バッテリーからリチウムイオン電池へと移行が加速しているようだ。そして今回のJEVRAのシリーズにも、市販車改造クラス初のリチウムイオン電池搭載車としてエントリー、そしてクラス優勝を遂げることとなった。

JEVRA02CATSEV86と千葉県自動車大学校の参加スタッフ。実際に車両を製作した面々は、アルバイトなどで、残念ながら、この初陣レースには来られなかったという。

 コンバートEVは、さらにここ数年で大きく変わっていきそうな気配である。モーターやコントローラーなど現状では直流タイプのものを使用しているが、これらも交流式に置き換わっていけば、更なる性能アップにつながっていくだろう。安価な改造費で自身の車両をEVにすることもできるコンバートの世界、奥が深い。

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