常設よりもローコスト? 移動式急速充電器の時代が来る!?

 1月16日から東京ビッグサイトで開催されたEV・HEV駆動システム技術展で、菊水電子工業ブースに登場したのは、なんと移動式の急速充電器。 これまで移動できるEV専用電源というと、新潟で「助っ人EV」というEVレスキューの試作車が作られたことがある。それは三菱i-MiEVをベースに、 電池切れしたEVを自らの電池で、急速充電で救援するというもの。この新潟の例は、他車救援のコンセプトであったが、菊水電子の提案はもう少し異なる。

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kikusuiそもそも急速充電器は、日産自動車を始め多くの業者が参入し、低価格化が進み、現在はその価格が150?230万円ほどまで下がっている。しか し、設置については工事費用がかさむ。設置場所の状況により、単純にいくらというものはない。条件がいいと100万円程度で済む場合もあるが、中には、変 電設備(キュービクル)の新設や増設が必要となる。また設置場所の都合で、敷地内の反対側から電力線を引くための埋設工事が必要になったり、と、1000 万円近い工事費が発生する事例もあるという。

 この菊水電子の提案は、決まった場所での設置ではなく、クルマに載せて移動ができ、イベント等の仮設スタンドとして、また移動先の電源として使用できる。使用頻度に対しての設置費用が見合わない、という問題をクリアできる可能性がある。

 設置した移動式急速充電器から10m程度離れた場所にエンジン発電機を置いて、そこから給電。キモは50kWという電力で供給できること。単に出先のコンセントで、100Vや200Vの電力を供給するのとは全く異なる環境だ。

 この初の試みには、いくつかのチャレンジングな課題があるようだ。もっとも大きなのが、移動時の機械的な振動。もともと、急速充電器は制止型機器として設計されているので、基本設計から見直し、車載時の振動対策を念入りに行なう必要がある。

 EVに乗っていると、こんな所に急速充電器があったらなぁ、と思うこともしばしばだが、こんな一時的な利用増にも対応できる仮設充電器ができるな らば、いろいろな想像がふくらんで来る。単に、イベント会場での充電デモだけに限らず、EVラリーのようなことも実現可能になるかもしれない。実際の発売 が楽しみだ。

 (XaCARレポーター・青山義明)

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