【パイクスピーク2012】 電気自動車普及協会を代表して参戦?

【パイクスピーク2012】 電気自動車普及協会を代表して参戦?

 開催地コロラドでの山火事により、延期が決定した2012PPIHC(2012 PIKES PEAK INTERMNATIONAR HILL CLIMB)だが、その特別インタビューも今回が最終回。シンガリを務めるのは、「チームAPEV with モンスタースポーツ」のモンスター田嶋こと田嶋伸博選手。現在パイクスピーク6連覇を、そして昨年コースレコード更新の新記録を達成している田嶋選手が、 なぜEV? そしてなぜ今年だったのか?

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Tajima001田嶋伸博選手は、石川県出身、今年65歳になる。アジアパシフィックラリー選手権(APRC)の2WD部門で5度タイトルを獲得。また、パイクスピークで はこれまで7度の優勝。2006年からの6連覇という記録を持つ。世界ラリー選手権JWRCではチーム監督も務めたことがある。モンスター田嶋という愛称 で呼ばれることのほうが多い。

 なぜEVなのか。昨年のパイクスでは10分を大きく上回る9分51秒278の新記録樹立で6連覇達成。まだ少し遣り残したことがないわけではない が、「ガソリン車で極められたのかなぁ。まぁ、40年やって来たし、ここらがひとつの区切りとして、これからの新しいチャレンジを」と言う。

 また、地球の環境問題などへの思いもあり、「今のご時勢でEVが注目されていること、私が電気自動車普及協議会(APEV)の代表幹事をやらさせ ていただいているということで、身を持ってEVの普及に取り組んでいかなきゃいけない、という思いが重なっていた」と言う。田嶋さん本人からはいろいろな 理由が挙げられているが、「どうせなら今年やりませんか?」というベネッセコーポレーション会長の福武總一郎さん(APEV会長)の後押しも大きかったようだ。

 正式に決まったのが2月というから、極めて突貫工事に近い。今回参戦するのは「Team APEV with モンスタースポーツ」というチーム名だ。これまでと異なり、「EVを世の中にアピールできないかね、ということで、APEVとモンスタースポーツのコラボ のイベントにしようと、この体制で参戦を決めたんだよ。チーム総監督には福武さん、応援団長はNTNの鈴木会長という体制でね。私としては、EVでヒルク ライムで勝つということもちろんなんですが、やはりEVを世界にアピールして、普及に促進できればと思っています」と。

Tajima002突然のように思う方もいるだろうが、すでにタジマコーポレーションとしてはナチュラルエナジー事業として、上の写真のe-runner ミニスポーツという小型EVや電動スクーターe-runner、さらにはアルトやエブリィを使ったEVコンバージョンなどの事業展開を試行しており、今回 のマシン「E-RUNNER パイクスピークスペシャル」の名前も、タジマコーポレーションのe-runnerシリーズの発展したものということだ。

 そのナチュラルエナジー事業の内容については「もともと、自分の若いころからと比べてみて、地球のいろいろがおかしくなって来ていて、想像できな いスピードで進んでいると思うんです。それで、燃やす化石燃料の時代から、化石燃料を資源として使う方向に切り替えていく、そういうことが大事だと思って いました。

 もちろんクルマは大好きなんで、クルマを辞めるつもりは無いんですが、走るためのエネルギーはもっと地球に優しいものでできないか、といった具合に、自然エネルギーを使ったモビリティということを考え、4~5年前から、こういうものに取り組んできた」と答える。

Tajima003気になるモーターやバッテリーだが、そのあたりの詳細なスペックは明かされていない。要求スペックは、昨年のクルマの出力をそのまま置き換え、去年の記録を超えるようなものを依頼しており、それにサプライヤーが応えてくれている、という。

 スペックが公開されるのは現地に入ってからだという。これは非常に不気味だ。なにしろ、田嶋選手がEVクラスへ変更しようが、誰もそのようには見 ていないはずだ。アンリミテッドクラスのマシンにも勝ち、総合優勝を目指すのは自明の理であろう。もちろん本人もそのように答えている。

「勝算? 走っているところをご覧になれば大体どのようなものかわかると思いますが(笑)。新しいチャレンジなんで、何があるかわかりません。い ろいろあるとは思いますが、40年やったガソリンのことを思えば、ね。EVとして最初のチャレンジですが、少なくとも勝算無ければやらないんで、今回かな りインパクトのあるデビューをしたいと思っています」と答えてくれた。

「70歳まではレースをやるよ」と、これからまだ、田嶋選手&EVマシンの挑戦は続きそうだ。

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