【パイクスピーク2012】EVがよくわかってなくて、速いんだか遅いんだか…

 日本のトップオフローダーがこぞって、それもEVで参戦することになった2012PPIHC(2012 PIKES PEAK INTERMNATIONAR HILL CLIMB)に向けた特別インタビュー。第2回目は俳優の哀川翔さん率いるTEAM SHOW (Show Aikawa World Rally Team)の奴田原文雄選手。

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Nuta002奴田原文雄選手は、1963年生まれ・高知県出身。全日本ラリー選手権で8度のタイトルを獲り、海外では、日本人初のモンテカルロラリー優勝 (2006年・プロダクションクラス)を収め、同年プロダクションクラス・シリーズ2位などの経歴を持つ。パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクラ イムには2009年、哀川翔さんのコーチ兼コ・ドライバーを務め、クラス5位の成績を収めている。

 今回奴田原選手がドライブするのは、トヨタのレース部門トップのTMG(TOYOTA MOTOSPORT GmbH)が開発した「TMG EV P002」。どういった経緯で、この参戦が決まったのか?

「いずれモータースポーツはEVに移行していくと思っていまして、EVとはどんなものかということはすごく興味がありました。TMGの木下美明社長 とお付き合いがあった中で、TMGがニュルのコースレコードを持つ高性能EVを持っている、という話を聞いて、パイクス走ったら面白いんじゃないか、と盛 り上がって実現したものです」

 5月にはフランスへ飛んで、実際にポールリカールで走行チェックを行なったという。「TMG EV P001」という車両は、ニュルのラップタイムでもEV記録をたたき出したことで知られている。「TMG EV P002」は、ラディカルのシャシーを使っているところは同じ。P001の技術をベースに、このパイクスピーク用にモディファイを加えたものとなってい る。

Nuta001_2「具体的な内容は僕には良くわからないんです。というのもEVが良くわかってなくて(笑)。運転してみるとビックリですね。ここまで進化しているん だってすごく驚きました。すごいのはアクティブデフとトラクションコントロール。コーナーの出口でバーンとアクセル踏んでも絶対スピンしない。だからすご い楽チン。F1の技術を使ってるんですね。

 なんてったってF1のステアリングが付いている(笑)。記念にくれないかな、と思ってるんですが…。ただ、トルクの盛り上がり感がないんで、速い のか遅いのかよくわからない。トルクの谷も無いので突っ込みすぎるとダメ。スローインファストアウトの鉄則どおり、ラインをスムーズに走ればいい。ドライ バーとしては乗りやすいですね。

 砂利道だったころからパイクスって面白いな、と思っていましたし、すごく魅力のある競技のひとつですね。なので、1回は走ってみたいなと思ってま した。ゴールは4300mという高地です。体力というよりは身体がついていけるか、集中力がどうなるか、というところが心配ではありますね。

 今回は、TRD-USAに協力していただき、ロッド・ミレンさん(モンスター田嶋選手と死闘を繰り広げたパイクスマイスター)がテクニカルサポー ターとしてついてくれています。経験豊富で、いろんなアドバイスをいただいています。その中で酸素ボンベを使ったほうがいいというので、酸素ボンベを積ん でいこうと思っています。

 目標? わかんないですけど、10分切れたらいいなと思っていますが。ただ、なにせぶっつけ本番になってしまうんで、よくわかんないですね。コー スは、3日間の練習で覚えればいいかな、と。SS1本覚えるだけだから短いよね、ただ、誰も横で教えてくれないけど(笑)。20kmなら覚えられるんじゃないかな?

 タイヤはSタイヤ。アメリカで売ってるA048というSタイヤで走ります。コンパウンドはいくつか持って行くと思いますが。横浜ゴムとしては、ブルーアースを履く塙郁夫選手のマシン、そしてこちらはモータースポーツタイヤのアドバンということですね」

Nuta003マシンのカラーリングは、レースファンにはおなじみの黒地に赤ラインのアドバンカラーとなる

 TMG EV P002は全長4100×全高1040×全幅1790mm。最高速度は240km/h。モーターは英Evo Electric社製TMGチューンで、最大トルクは900Nm、最高出力は350kW。電池はドイツBeta-motion社製で、容量は42kWhと なっている。

 インタビューには飄々と答えてくれた奴田原選手だが、実は相当勝ちに行く気満々、かもしれない。レースには、チーム監督の哀川翔さんも現地入りす るという。哀川さんも「テストでかなりの手応えがあるということを聞いています。自分としてもかなり期待しています」と強気のコメントを残してくれた。

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