【パイクスピーク2012】 モンスター田嶋選手の「マッハGoGoGo」

 モンスター田嶋こと田嶋伸博選手が、今年のパイクスピークに向けて製作した車両は、TVアニメ『マッハGoGoGo』に出てくるマシンのようだ、 という声があがっている。それもそのはず、このマシンは田嶋さんが幼いころから、いつか乗ってみたいと考えていたマシン、そのもの、なのだから。

【関連記事】500馬力のミラージュ! 2.5リッターターボのBRZ! 「なんでもアリ」の魔改造マシンが爆走する「ダートトライアル」が圧巻だった

Montaji21_2これまでは、エスクードやSX4といったスズキの車両をベースとしたマシン(実際の車両のイメージを残したという表現のほうが正しい)で参戦して きた。今回のEVマシンは、スズキ自動車とのコラボではなく全部自前なので、自分の思い描いていたクルマにしたという。田嶋さんが幼少のころから思い描い ていた夢のクルマがその原型なのだ、という。

「一番最初のスケッチは、小さいころからのドリームカーです。そのクルマの中にいろんなものを入れ、レイアウトを決めていくと、いろいろ制限が出てきます。そういった制限をクリアしながら、風洞実験もかけて理想形をツメていったら、最終的にこの形になりました。
でも最初は夢のスケッチありき、ですよね。そこにこれまでの経験も入れて、こういう設計になっているんですよ。私なりに、こういうクルマがあるといなという夢を実現したくて作ったんで、負けるわけにはいきません(笑)」

Montaji22_2コクピットにはキャノピーが装着される。これも戦闘機から得たデザイン。しかし、田嶋さんからは「単純にアクリル板を成形したようなものと一緒に してくれるな」と一喝された。コースの微妙なギャップを見極めることができる、全くゆがみの無いキャノピーなのだ。風洞にかけてテストをしているだけあっ て、このキャノピーの上を通る風がうまくリアウイングに当たる設計となっている。ちなみに日本から参戦するほかのEVは、パイプフレームでむき出しのコク ピットだ。

 実物を間近に見ると、このE-RUNNERが非常に大きな車両であることがわかる。目測でみたところ、全幅は2mに納まっているが、全長では5m 後半~6m未満といったところのようだ。増岡浩選手が乗るi-MiEV Evolutionは全長4341×全幅1900×全高1339mm。奴田原文雄選手が乗るTMG EV P002は全長4100×全幅1790×全高1040mm。塙 郁夫選手のHER-02は全長3800×全幅1900×全高1100mmというサイズに収まっていることをみれば、その大きさはわかるだろう。

Montaji23_2スペックについては非公開としている。その理由は、世界の最先端技術が投入される非常にデリケートな部分であるからだという。塙選手のマシンも モーターについてはシークレットという状況であるし、EV関連会社にとって、このようなレースはまさに走る実験室、となっているのだ。

 モーターは同じものを前後に2基搭載。三菱重工長崎造船所で開発された、高性能の新型蓄電池を搭載するということだけがわかっている。このバッテ リーは、非常に軽量であり大容量だという。レースでこのバッテリー性能を実証できれば、EV用バッテリーの世界は大きく変わるかもしれない。

 最終的には、フロント部に指向性の高いスピーカーも装着する予定だという。音が静かなため、動物やギャラリーがコース上に出てくる可能性もある し、レース関係者にとっても危険だからだ。昨年世界新記録を出した際のエキゾーストを流す予定だという。

画像ギャラリー