【パイクスピーク2012セットアップデー速報】三菱i-MiEVエボリューション復活!!

 決勝レースを前日に控えた8月11日。パイクスピークヒルクライムレースのイベントスケジュールはこの日をセットアップデーとしている。パイクスピーク自体での走行はなく、各チームは、前日夜に行なわれたレースファン向けイベント「ファン・フェスタ」に展示したレースマシンの最終調整を行なう日とされている。

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Setup_001塙郁夫選手の「チーム・ヨコハマ・EVチャレンジ」は記念撮影をしたりとのんびりムード

 初日の走行でマシンを壊し、その後は懸命な修復作業を行なっていた、増岡浩選手が乗るi-MiEVエボリューションは、前日夜にようやくその修復作業を終えた。そしてこの日、三菱チームは、コロラドスプリングスから南へ30kmほど離れたところにあるパイクスピークインターナショナルレースウェイにマシンを持ち込んで再シェイクダウンを行なった。

Setup_002増岡選手がクラッシュした場所は、エンジニアコーナーと名付けられているコーナーで、それまでリズムよく登ってきたところに突然予期せぬ左鋭角コーナーが現れる、というシチュエーションのコーナー。前後に似たようなコーナーもあり、多くのドライバーがはまってしまうコース前半の難所とされている。

 曲がりきれずにまっすぐコースを飛び出したi-MiEVエボリューションだが、無理にコースに戻ろうとして横転をしてしまうリスクを避けており、また、落ちた土手もあと1m右側に落ちていたら崖下転落、左側に行くにつれて土手部分が鋭角になっており、「ミスコースした」増岡選手がコースアウト最後のコントロールで、クラッシュ自体は大きかったものの内部パーツには大きなダメージはなかったようだ。

 三菱自動車工業の増田義樹さんによると、フロントの損傷は、トーボードより前側のフレームおよびステアリングギアボックスに及んでいた、一方バッテリーやモーター、電気のシステムにはまったく問題がなかったとのこと。スペアをまったく用意していなかったため、損傷を受けた部分のパイプフレームを切り取り、鉄パイプと角材を使って現地で新しく作り直したという。この部分はフロントサスの取り付け部分もあるため、専用治具を作って、ジオメトリーを合わせながらの作業を繰り返し完成した。また、ステアリングギアボックスについては、夏休み返上で、日本からハンドキャリーでスタッフが持ち込んで、この修復となった。

 シェイクダウンは、今回パイクスピークに出場するマシンの車検場としても使われたパイクスピークインターナショナルレースウェイの0.25マイルのフラットなオーバルを使ったインフィールドのコースで、左右のバランス確認を中心に行なわれた。

Setup_003シェイクダウンを終えた増岡選手は「この修復作業に、スタッフは3日半、交代でほとんど寝ずの状態で作業をしてくれました。走ってみて、元の状態で走れることが確認できました。もう、本当に感謝と申し訳ない気持ちと、うれしさでいっぱいです。彼らの苦労には結果で恩返ししたい」と、満面の笑みで答えてくれた。今回のトラブルについては、スタッフが一丸となって対応してくれたことで団結できたことで各人にも大きな収穫になったと、トラブルを乗り越えたスタッフへの期待もうかがわせるコメントもあった。翌日に迫った決勝レースついては、データ収集をしっかりすること、そして必ずゴールすること、としながらも「ゴールすれば結果は付いてくると思う」とバトンを受けた増岡選手の闘志も垣間見れるものであった。

Setup_004無事修復を終えたi-MiEVエボリューションは、問題なくこのチェック走行を終了。少し出遅れてしまったが、決勝で、チームスタッフのがんばりに応える大活躍を期待したい!

 (文・写真:青山義明)

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