【2012 JEVRA第3戦菅生】LEAF NISMO RCぶっちぎり! かとおもいきや!?

 9月最初の日曜日、2012全日本電気自動車グランプリシリーズ第3戦菅生の決勝が、宮城県・スポーツランドSUGOで開催された。今回の目玉はなんと言ってもリーフRCの実戦投入である。ニスモ関係者はタイミングよく参戦機会に恵まれた、としながらも、7月のSUPER GTレース前のデモンストレーションランで走行データを取るなど事前の準備は万端。マシンはボディ内部の緩衝構造材を改良するなどレースに向けたモディファイも行ない、現場での充電はせずにバッテリーパックを持ち込むなど、レースに対する意気込みも十分。

 心配された天候は、決勝スタートあたりから下り坂という予報だったが決勝レースそして表彰式が終わるまで持ちこたえた。直前に降った雨により、この日午前中の予選セッションではハーフウエット路面での走行となったが、決勝では一転、完全ドライでのレース、である。

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001_41分44秒という圧倒的なタイムでポールポジションを獲ったのは#23 NISSAN LEAF NISMO RC(松田次生選手)。RCはブリヂストンRE011のハードコンパウンドを履いており、路面が濡れている走り始めは厳しかったが、きちんとタイムを出してくるあたり、さすがSUPER GTドライバー。続く2番手にはこのシリーズ5連勝中のテスラに乗る井土智洋選手(#1OUTER PLUS☆TiR☆TESLA)。この2台がフロントロウに並び、午後3時、レッド点灯・ブラックアウトでレースは始まった。

 決勝レースでは、真っ先に飛び出したリーフRCだったが、井土選手と砂子塾長選手(#8 TAUS東京自動車大学校TESLA)、2台のテスラ ロードスターがこれを執拗に追う展開。2ラップ目のバックストレートで井土選手が仕掛け、前に出て、続いて砂子選手もこれをパスして、テスラ2台がリーフRCを引っ張るような展開となった。

F002それ以後、終始トップで走行した井土選手は「リーフRCでもこのレース全開で行けはしないだろう」と踏んで、まず序盤で前に出ること。それでペースをつくり、後半徐々に引き離していく、というレース戦略で臨み、きっちりと戦略どおりのレースを行なった。最終ラップでは、逃げ切りの1分49秒をたたき出してチェッカーを受けた。

 松田選手は、前日の練習走行でシミュレートした作戦通り、1分58秒前後で走行したわけだが、テスラは想定よりも速かった。後半タレてくるだろうと無理に追わず、13ラップ目にスパートを掛け砂子選手をパスしたときにはトップを行く井土選手は15秒も先におり、それ以上順位を上げることもできず2位でチェッカーとなった。「もう1ラップ早くラストスパートを掛けておけばよかったですね。ただ、そうすると電池が持つかどうかわからなかったですが」と松田選手は悔しそうに語った。この後のリーフRCの参戦は予定されていないが、ぜひともリベンジを期待したい。

F003_2総合3番手に入った砂子選手は、今日のこのトップ争いを「噛み合わない走り」と表現。コーナーで速いリーフRCとストレートで速いテスラという。馬の背コーナーあたりで前にリーフRCが出ても、最終の立ち上がりで抜き返せるという状況の中で、電池の残りを見ながらどう仕掛けるか、はドライバーを悩ませたはずだ。砂子選手の乗るテスラも毎戦進化をしている。しかし砂子選手いわく、まだ井土選手は後ろを見ながら走っており、こちらがペースを上げれば向こうもペースを上げるだけのモノを持っている。こちらも進化をしてはいるが…。次回、ひとつ対策を施すので、それをテストして、第4戦に望みたいとしている。

 市販車リーフ勢はリーフ勢で厳しいレースとなったようだ。袖ヶ浦でのレースよりも若干ペースを落としてのレースだったが、バッテリーの持ちよりも熱による出力制限のほうが厳しかったようだ。

004クラス優勝した金井亮忠選手(#72 チームNATS・日本自動車大学校リーフ)は予想よりも遅いペースで、電池は余ったとしながらも、出力制限で自身最終の立ち上がりでペースが上げられなかった上に、22号車の田中耕介選手も出力制限でペースダウンを強いられたこともあったので、ちょうどよいペースだったのかも、という。ランキングトップを走る深栖健男選手(#10 ZUMMY RF☆G.SONIXLEAF)は、ペースが想定していたものよりも速すぎ、ということで、途中でペースを切り替え、いったんはクラス4番手に順位を下げながらも、予定通り、終盤でラストスパートをかけきっちり2位表彰台を獲得した。

 (文・写真:青山義明)

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