【誰も書かないパイクスピーク2012考察】全面舗装化は誰にとって有利だったのか?

 アメリカ・コロラドで開催された2012パイクスピークインターナショナルヒルクライム。アメリカではインディ500に次ぐ長い歴史を誇るレースイベントです。明日発売のXaCAR10月号には、詳細なレポートを掲載しているので、ぜひごらんいただきたい。さらにザッカー誌面で紹介し切れなった話を、いくつかアップしてみたいと思います。

 さて、その第1回目。今回のパイクスピークでは、ボトムセクションの後半に残っていたダート部分が舗装化されました。これにより、多くのチームがSタイヤを装着して、セッティングも詰めて参戦していました。そこで生まれた「全面舗装化で得をしたのは誰か?」という疑問。

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PPIHCkousatsu001真っ先に思いつくのが、二輪車ですね。ダートからアスファルト路面になれば、誰しもより攻めることが可能になったと思うでしょう。なんといっても二輪部門のトップタイムをマークしたカーリン・ダン選手は、二輪初の10分切りを達成。表彰台の一角に食い込む総合3位のリザルトを残したわけですから。

 しかし、タイムの伸び幅を見てみると、そうともいえない。総合優勝したリース・ミレン選手が出したタイムは、昨年同車の記録(彼の父親ロッドが運転したが)を78秒748タイムアップしたが、カーリンも昨年自身の出したタイムより78秒510のタイムアップと、伸び幅に差がないことがわかります。

 昨年パイクスピーク・ルーキーながらコースレコードを更新(11分11秒32)して優勝したカーリン・ダンが、さらに記録を更新して2連覇達成。ドゥカティとしては、これで2010年からパイクス3連覇を達成

PPIHCkousatsu003昨年、カーリンと同じくドゥカティ・ムルティストラーダ1200Sで参戦した、6度の優勝経験者のグレッグ・トレーシーは、コースアウトを喫していましたが、今回は、カーリン選手の6秒落ちで見事2位入賞(9分58秒262)。一昨年のタイム11分46秒6を更新しました

 念のため、二輪各クラスのトップリザルトを比較してみましょう。

 <2011二輪クラストップリザルト>
1205  Carlin Dunne (Ducati) 11:11.329
750   Stuart Sinclair (Aprilia) 11:27.396
Supermoto450  Leeland Sinclair (Honda)  12:05.178
450   Davey Durelle (Kawasaki) 11:50.988
250  Chuck Lee (Honda) 12:39.366

 <2012二輪クラストップリザルト>
1205  Carlin Dunne(Ducati) 9:52.819
750  Gary Trachy(TM)  10:40.753
450  Travis Newbold (Honda) 11:06.618
250  Jason Archuleta (Yamaha) 11:41.015

 どのクラスも1分程度のタイムアップをしています。しかし、四輪も各クラスのコースレコードは1分程度のタイムアップを果たしています。アンリミテッドクラスの優勝候補が続々とコースアウトしてしまったこともあり、オールオーバーのレコードタイムこそ、田嶋選手が昨年出した9分51秒278から、9分46秒164(リース・ミレン選手)へ5秒と、たいしたタイムアップは果たしていませんが…。

 ということで、全面舗装化で損をしたのは、Sタイヤを履いてコースアウトを喫した面々、といったところでしょうか?

 (文:青山義明)

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