【誰も書かないパイクスピーク2012考察】EVはオールオーバーを獲れたのか?

 90回目の2012パイクスピークインターナショナルヒルクライムに、日本からトップオフロードレーサーがこぞってEVクラスへ参戦しました。このレポートについては、9月10日発売のザッカー誌面で行なっていますが、誌面に書ききれなかったいくつか(なかにはレースでは御法度のたら・ればも含みます)を展開してみようと思います。

 今回の話題は、オールオーバー、総合優勝の記録についてです。日本からEVが大挙して乗り込みましたが、このEVの実力はどれほどのものだったのか? 国内メディアでは田嶋選手7連覇ができたかもしれない、とする論調もありますが、果たして本当にそうだったのか? 田嶋選手同様に、決勝リタイアしたアンリミテッドクラスの有力候補の練習走行データなどを参考に、このテーマを推察してみようと思います。

 以下がレースウィーク全日のリザルトデータ(アンオフィシャルデータも含む)です。今回優勝した#67リース・ミレン選手を始め、2位のロメイン・デュマ選手、アンリミテッドクラス優勝のデビッド・ドナー選手ら総合トップ5までの選手のタイム。そして優勝候補およびEVクラス全選手のタイムを並べてみました。(※増岡さんの予選タイムは公式には出ていません。参考のため、コースアウトする前の1本目の走行タイムを掲載してあります。この走行では増岡さんは2回スピンしているので参考にもならないとも言えますが…)

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photo酸素の濃いボトムセクションはいいとして、トップセクションでもガソリン車のタイムの落ち込みが少ない、というのが正直な感想です。このタイムを見る限り、そもそも総合でEVマシンが表彰台を獲れるかどうかも怪しい、というのが見て取れますね。

 参考のため決勝のセクションタイムも掲載しています。ちなみにセクションはS1がスタート地点からピクニックグラウンド(標高2862m~3035m)、S2がグレンコーブまで(標高3035m~3487m)、S3が16マイル地点(標高3487m~3895m)、そしてS4(標高3895m~4300m)となります。それぞれ3マイル前後の距離です。

map今年のマシンを見る限り、EVがオールオーバーを獲ることはできませんでした(もしかして田嶋選手はオーバーオールを狙って出力を上げたためにリタイア?)。でもEVの進化は日進月歩です。来年こそ、EVがオーバーオールを獲れる可能性は高いでしょう。

 (文:青山義明)

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