【誰も書かないパイクスピーク2012考察】市販EVでリーフの37秒落ち、の三菱i-MiEVの参戦意義は?

 2012パイクスピークインターナショナルヒルクライムレース。今回は、あまり記事として採り上げられることのない三菱の市販車i-MiEV(米国名Mitsubishi i)の参戦についてチェックしてみようと思う。

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PPIHCmitsubishi01Mitsubishi iのステアリングを握ったのはベッキー・ゴードン選手。NASCARやバハ1000で活躍したロビー・ゴードン選手を兄に持ち、昨年インディカー・ドライバーのライアン・ハンターレイ選手と結婚した、アメリカン・レース・ファミリーの一員として育った女性ドライバー。もちろん三菱ゆかりのドライバーではありません。オフロードのレースにも参戦経験があり、話題性もある。同時に商品のスポークスマンとしてベストなドライバーである、ということで、北米三菱側から選ばれたということだ。

PPIHCmitsubishi02今回参戦するの車両自体は、レース用のロールバーなどの装備、そして空力を考えた前後バンパーが異なるが、基本的には市販車のMitsubishi iと全く同じ。出力は多少異なるものの、国内の軽自動車枠内で作られたi-MiEVから大して変わりのない小型EVだという。

 昨年、このパイクスピークを日産リーフの市販車(モーター出力80kW/280Nm、バッテリー容量24kWh。ドライバーはチャド・ホート選手)が参戦し、量産EVとして14分33秒429というタイムを残している。出力49kW/196Nmのモーターに16kWhのバッテリーを搭載するMitsubishi iは、当然それを下回る結果だ。

PPIHCmitsubishi03三菱の参戦目的としては、このMitsubishi iの存在を知らしめるPR活動ということが挙げられる。安全であり、そしてEVの特性としてのモーターのトルクによって、想像以上にスピーディに山を駆け上がること。その点についてはきちんと結果を残し、強くアピールすることができた。

 チームスタッフによるとそれだけではなく、市販車と同じモーターを積んで参戦したi-MiEVエボリューションで使用した、EVのコンポーネントとの直接のデータ比較ができるという。過酷な状況下でのデータを、市販車の走行データと比較することで、効率性の向上や今後のEV技術発展のために、様々なデータを得ることができる、としている。

PPIHCmitsubishi04三菱が用意したもう一台のマシン、i-MiEVエボリューションは練習走行初日にコースアウト&クラッシュしてしまって、2日間の練習走行が全くできなくなった。パイクスピーク・ルーキーの選手は決勝前に全セクションを走行しなければならない、というレギュレーションのため、増岡選手もこのiがあったおかげで走行をこなせたともいえる。

 日本人が乗車していないこともあって、どうも国内では大きく採り上げられはしていないが、三菱チームにとっては、なくてはならない一台だった。

 (文・写真:青山義明)

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