[編集スタッフブログ] あの「貴島孝雄」さんは元気に活躍中!

 先日、久しぶりにMr.ロードスターと呼ばれた、元マツダのスポーツカー開発主査の貴島孝雄さんと会った。現在は、山口東京理科大学の教授として、次代の自動車技術者を育てるため教壇に立たれている。貴島さんとゆっくりと食事をする時間が持てたので、懐かしい貴島節を聞くことができた。そこで驚くような話が…。

kijimatada036元マツダのスポーツカー開発主査の貴島孝雄さん(左)トヨタ86チーフエンジニア多田哲也さん(右)

 貴島さんは、昨年病気に倒れすぐに回復されたと聞いていた。軽い症状でよかったな、と思っていたが、直接話を聞くと、かなりの重症だったようだ。

 ある早朝に突然左半身にしびれを感じ、しゃべることもできにくい状態になられたという。救急病院での治療が早く、大事に至らなかったが、一時は「もう人生が終ったか」と思うほどだったという。リハビリを経て奇跡的に早い回復。現在は、お話していても全く以前と変わらぬ調子で、ポンポンと会話が弾む。良かった! 本当に良かった。

「僕はお酒やお茶などの飲み物は飲みますが、水を飲むことが嫌いだった。そのせいもあり、血液はドロドロだったようです。運動不足もあった。今は左足に500グラムのオモリをつけて散歩しています。城市さんも、水を飲んで、歩くことが大事です」
と諭された。さらに、
「人間は動物。動くものという意味ですね。適度に運動しないと、動物の心肺機能は活性化しませんよ」とも。

 僕がマツダ・エンジニア時代の貴島さんとお会いしてから、かれこれ20年以上経つ。足回りの開発、商用車ボンゴの開発などを経て、貴島さんが一躍注目されるエンジニアになったのは、RX-7の開発主査、さらにはロードスターの開発主査をされてからだ。

 貴島さんの独特の、ものづくりの信念は「動的感性工学」だ。計測機やスペックでは表現できない人間の感性を重視した考えは、すばらしいスポーツカーを生んだ。もちろん、基礎的な自動車工学に基づいたうえで「感性領域」を突き詰めてこられたこその結果であろう。

 現在、忙しい大学の仕事を縫って、小学5年生に、自動車の基礎をわかりやすく教えたり、さまざまなシーンで「若者にクルマの面白さや走りの基本を楽しく教える」ことにも時間を割かれているようだ。

 さらにミスター・ルマン寺田陽次郎さん率いるマツダ車専門のチューニングパーツメーカーAutoExe(オートエクゼ)では、スーパーバイザーとして、スポーツカー・チューニングのアドバイザーとしても活躍されている。貴島流チューニングについては、XaCAR1月10日発売号でも紹介したいと思っている。

 ともあれ、健康一番。お体を大事にされ、貴島流のクルマ作り哲学を、もっともっと教えて欲しいと願っている。

 (XaCAR編集長・城市邦夫)

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