
軽自動車最大のボリュームゾーンとなるトールワゴン市場でeKワゴンはライバル達の牙城を崩せるか。その実力をチェックした。
NAと比べると、やはりターボはトルク感やアクセルレスポンスが段違い。ただしアイドリングストップ機構は搭載されないのが残念なところ eKワゴンのドライビングポジションは、ミニバンのように高く視界は爽快。だが、NAエンジンは低速トルクがやや物足りなく、3気筒感たっぷりのサウンドと振動が伝わってくる。また高回転まで回したときのノイズもちょっと気になるところ。乗り心地は、三菱の軽自動車の特徴でもあるやや硬めのタッチが基本だが、荒れた路面や段差を通過してもショックは丸く収められ、足まわりがバタつくことはない。
快適性は文句なしのレベルだ。さらに、パワステは約55km/hからズシリと引き締まり、100km/h巡行時の安心感、安定感もクラス最上級だ。回すとうるさいエンジンも、巡行時は副変速機付きCVTによって回転が低く抑えられるからそこそこ静か。山道を積極的に走っても穏やかな操縦性、4輪の鉄壁な接地感とリヤの踏ん張り感が際立つ。
eKワゴンは上下をブラックとアイボリーで分割。上側を薄く見せることで開放感を演出している。センターパネルはピアノブラック調とし、上質なイメージをプラス 一方、カスタムのみに設定されるターボモデルは、この新型では先代のようにスポーツサスなどを奢るわけではなく、乗り味はややマイルド方向に洗練され、大人のプレミアム軽としてのキャラが強い。エンジンはさすがに強力だが、NAモデル同等の足ゆえ、飛ばすとロールは大きめとなる。
結論としてはeKワゴン、とくにeKカスタムはコンパクトカーなどからのダウンサイザーも納得満足の走りをもっている印象だ。
ボディサイドに設けられたトリプルアローズラインと呼ばれる3本のキャラクターラインにより、上質で立体感のあるスタイルを演出。Cd値は0.32とクラストップレベル
重厚感のあるメッキグリル、空力面でも有効だという縦型フォグランプベゼル、クリアテールランプやルーフスポイラーなど、スポーティなスタイルに仕上げられたカスタム。全車にディスチャージヘッドライトが標準装備となる
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