
まずはEV性能。なによりモーター特有のトルクフルな加速力や速度コントロールのしやすさ、そこにBMWらしい高速域まで伸びて行く感覚が加わる。走行速度にもよるが、アクセルを戻すだけで最大で0.35G(0.13Gよりブレーキランプは自動点灯)という強めの回生ブレーキがかかり、慣れればアクセル操作だけで走れるワンペダルドライブが可能。これらの特徴が従来のEV車にはない独特の乗り味を実現している。
車体下部のドライブ・モジュールにバッテリーからモーター、エネルギーマネジメントシステムなどを納めるレイアウトを採用したため居住性、積載性などは優秀。フロアのフラットさは注目だ i3独自の運転感覚をもたらしているのは、ふたつの構造体を組み合わせた特殊な作りである。ひとつは、バッテリーやモーターを収納しつつ、足まわりと走行に必要な剛性を確保したアルミ合金製の「ドライブ・モジュール」と呼ばれるシャーシ。そのうえに、軽量かつ強靭なカーボンファイバーで作られたキャビン、「ライフ・モジュール」が搭載される。これがi3にとってのキーテクノロジーであり、既存のEVとは一線を画す要因となっているわけだ。
i3は最新鋭のEVシステムに注目されがちだが、魅力の本質は市街地での使いやすさやカーボンボディがもらたらす軽快な走りにある。事実、コンパクトなボディサイズなど日常的なシーンでの使いやすさも考慮されている。たとえばUターンするときに、まるで自分を中心にクルリとまわる感覚があり、視界のよさと相まって狭い道がとても走りやすい。次世代を担うクルマではあるが、先進性だけでなくクルマとしての基本性能も高い次元にある。
ピュアEVのタイヤサイズは155/70R19という特殊なもの。レンジエクステンダーはリヤが175/60R19と幅広になる。オプションで20インチの設定もある
シフトスイッチはステアリングコラムに取り付けられる。正面のモニターはシンプルでスピードメーターとエネルギーフローを表示
レンジエクステンダーは発電用の674cc直2エンジンを搭載。小型でもハイオク指定となり、燃料タンク容量は9Lとなる
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