
2013年8月に約4000箇所にも及ぶマイナーチェンジを実施したS60/V60に、T5というグレードが追加された。もっとも注目すべきはボルボの新パワートレーン「Drive-E」が搭載された点だ。
従来型のT5に対し、燃費性能が23%改善し、75%の減税対象になった。T4との価格差は25万円あるが、減税分でその差は7.14万円に縮まる Drive-Eの基本構造は2L4気筒直噴エンジンで、T5はそれにターボが備わる。組み合わされるトランスミッションはアイシンAW製8速ATだ。アイドリング直後から、ほぼ最大値のエンジントルクを得られるのが特性としている。1〜2速をローギヤード化しており、アクセルを意識して深く踏み込まなくても転がるように滑らかにスタートできる。それでいて、アクセルを踏み込んだときには、まるでコンパクトカーのような軽快な加速力を実現している。また、高速走行時でもステア操作に対する反応が正確なのも特徴のひとつ。あえて旋回ブレーキや急激なアクセルオフなど、クルマの挙動を乱す操作を加えてみる。それでも4輪の接地安定性が極めて高いためFFなのか、4WDなのかを瞬時に判断できないほど。
リヤウインドのなだらかな傾斜など、クーペを思わせるような流麗なフォルムが特徴。今回のモデルはよりスポーティなR デザインで、専用サスやテールパイプなどを装備する 欧州Dセグメントはこれまでドイツ勢が支配してきた。しかし、S60/V60は世界トップレベルの安全性に加え、Drive-Eがもたらす走りと環境性能で確かな存在感を示しつつある。
従来の6速ATとほぼ同じ大きさのまま、上下に2速のギヤを追加してワイドレンジ化。8速ギヤでの100km/h走行時のエンジン回転数はわずか1500rpm
Dセグメントモデルだけにリヤシートの居住性は十分に確保されており、快適。またセダンながら40:20:40の3分割可倒式シートとなっており、さまざまなアレンジが可能。長尺物も難なく積み込める
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