モーターによる出力は前輪に、エンジンからの出力は後輪に伝える。0-100km/h加速は4.4秒、燃費は2.5L/100km(40km/L)とアナウンスされている。EV走行モードも選択可能 BMWの新しいコンセプトであるiシリーズの第2弾であるi8に、北米サンタモニカで試乗した。第1弾のi3は航続距離が気になるユーザーのために、オプションで発電用の小さなエンジン(オートバイ用)を搭載したしていた。i8は外部電源から充電可能なプラグインハイブリッドで、電気だけで走ることもできるが、ガソリンエンジンも動力源として使う。事実、65km/hを超えると自動的にエンジンが始動してモーターをアシストする。
近未来的なデザインとしながらも、ショートオーバーハング&ロングホイールベース、ドアはガルウイングと、スーパースポーツの文法ともいえるフォルムを採用 エンジンはミニと同じ1.5L3気筒ターボが搭載される。1.5Lとはいえブースト圧が2バール以上で過給されるので、パフォーマンスはレースエンジンに匹敵する。エンジンをリヤアクスル上に配置されるのでミッドシップと呼びたいが、実際はほとんどリヤアクスルの真上にある。また前輪駆動用の電気モーターは96kWと大きいので、フロントのエンジンルームに搭載。トルコン6速ATを介してリヤ駆動とし、EV走行は最高120km/h、走行距離は最長で35kmとなる。
メーターとセンターコンソール上に大型ディスプレイを備え、ライティングの使い方など近未来的なイメージを感じさせる 市街地ではEV走行だったが、その加速はV8エンジン並みの力強さ。フリーウェイをEVで走ることもできるが、高速ではエンジンを使ったほうが効率よくドライブできる。
i8はまったく新しいコンセプトモデルだけにスポーツカーとして見るなら物足りない部分はある。しかしエンジンメーカーであるBMWが、再生可能なエネルギーを利用できるiシリーズ立ち上げた。新しいコンセプトのスポーツカー像を模索している感もあるが、その先見性にこそ注目すべきだ。
室内はスポーツカーらしい2+2のシートレイアウト。シートはすべて軽量構造で、スポーツカー特有の低い着座姿勢。シートのほか各部に高級かつ軽量なレザーを使用し、上質感をアピールする