渋滞クルコンTEST安心してまかせられるクルマはどれだ? ~スバルXV/メルセデスS550/VWゴルフ/ボルボV40~ (1/2ページ)

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MERCEDES-BENZ S550
VOLKSWAGEN GOLF
VOLVO V40

「アダプティブ・クルーズ・コントロール(以下ACC)」を和訳すと“前車追従型自動操縦装置”とでもなるのだろうか? 現在は、「追従/発進/停止」を自動でこなしてくれるほか、衝突回避などの高度な機能が加わっている。法が許せば「自動運転も明日にも実現可能」なレベル。そこで各車のクルコンを実際に休日の渋滞でテストしてみた。
テストしたのは、スバルXV/メルセデスS550/VWゴルフ/ボルボV40の4台。
スバルXVは「アイサイト」搭載。ただしレヴォーグの最新バージョン3ではなく、バージョン2だ。ボルボV40といえば、この分野のパイオニア。メルセデスS550は、現在もっとも進化したACCとの評判がある「ディストロニックプラス」を搭載する。世界のベストセラーカーVWゴルフのACCも含め、すべて完全停止までを可能とするクルコンだが、スバルXVだけは停止状態の維持は2秒までとなっている。
最先端「ディストロニックプラス」には予習が必要!?
メルセデスのAACは、「道路の白線があればワインディングですら自動運転のようにこなす」と実感できるほどの性能を有する。ただしステアリングの陰にあるレバーを操作するので、予習なしにセットしようとするとかなり難しい。車間距離が6段階調整可能で最短は30m。これは市街地用だろう。高速道路では緊張感がある距離。しかも、メルセデスはブレーキ制御が入るのもやや遅いからなおさら。
ほかの3台の車間距離制御は、ボルボとゴルフが5段階で、スバルは3段階。3台とも一番車間を狭くしてもスリルは感じないし、その状態でメルセデスの一番広い状態とほぼ同じ感覚だった。逆にこの3台は車間距離の設定を一番広くすると、隣の車線から割り込まれやすくなる傾向があった。
ブレーキ制御についても、メルセデス以外の3台は違和感がなかった。制御に入るタイミングが早く、操作もスムーズ。高速道路でも渋滞でも、さらに一般道でもすべて合格点を与えたい。
ちなみに、前走車を感知するセンサーは、4台中スバルだけがレーダーを使わずカメラのみ。コストでいえば廉価版になるが夜間の大雨でも問題なく作動するので、ハンデは一切感じなかった。
ステアリングアシストにはメーカーの個性が現れる

前述したようにメルセデスはワインディングでも手放しで運転できる(一定時間経過で注意されるが)。まさにアシストというより「自動」というイメージに近い。ただしハンドルを切るタイミングは少しだけ遅く、ライン取りは「アウト・アウト・アウト」な感じだ。
一方ゴルフは「イン・イン・イン」に近く、さらに安心していられる。ただ両手でステアリングを握ってないと、すぐに「ピーッ」という警告音で怒られる。
ボルボは、車線を逸脱しそうになると軽くステアリングを修正し、それでもダメだと「ビン、ビン、ビン」とハンドルに振動攻撃を加えてくる。こちらはアシストに徹している印象だ。
そしてスバル。レヴォーグのバージョン3では、ボルボに近い働きをするが、XVのバージョン2では車線を逸脱するとピーピーと警告音が鳴るのみ。しかしこれがかえって、うっかり対策には一番いいかもしれない。
作動速度はメルセデスが60km/h以上、スバルとボルボとゴルフは65km/h以上。したがって、どれも渋滞では使うことができない。
今回集めた4台はACCを展開しているメーカーのなかでも先頭集団ばかり。したがって「渋滞のなかでアクセルやブレーキ操作から解放されたい」というリクエストには全車すでに100点満点。唯一スバルXVは完全停止は2秒までだが、それはハンデには感じないし、今回は意外な評価となったメルセデスでも渋滞のなかでは問題なくほぼ自動運転をしてくれる。