スズキ製の658cc直3ターボエンジンをフロントに積む。ケータハム用にセッティングされ、日本の軽自動車自主規制の64psを大きく上まわる80psを発生している ケータハムといえば、あの独創的な超軽量スポーツ「ロータス・スーパー7」の製造・販売などの諸権利を引き継いだメーカーだ。そんなケータハムから非常に興味深いニューモデル「セブン160」が登場。そのフィーリングをレポートしていこう。
160の最大の特徴はエンジンにある。ロータス7時代から様々なパワーユニットを搭載してきた歴史をもつが、160ではスズキのエブリイやジムニーに搭載されているK6A型エンジンをチョイスしている。つまり160は、こう見えて660ccの過給器付きエンジンを搭載、国内では軽自動車の新車として登録(届出)されるクルマなのだ。
非常に簡素なコクピット。スピードメーターは260km/hスケールでタコメーターは8000rpmまで刻む。ウインカーはレバーでなくスイッチ しかし、軽自動車だからといって侮ってはいけない。自主規制の枠を超える80psの最高出力、最大トルクは107N・mのスペックを実現しただけでなく、車両重量が490kgとF1カー並みに軽い。これが功を奏して6.13kg/psというパワーウエイトレシオを達成している。これはマツダ・ロードスターの6.59kg/psやトヨタ86(GT)の6.25kg/psより優れた数値だ。
サイドウインドウは取り外しができるタイプ。通常右のラゲッジに収納しておく。安全の意味でも走行時は要装着 エンジン音は3気筒の軽自動車そのもので少々興醒めするが、シフトレバーを1速にエンゲージして走り出せば、クラッチミートは低速トルクが豊かなエンジン特性で扱いやすい。横幅が1470mmしかないので狭い路地を問題なく走れるのも魅力のひとつだ。ただステアリングにパワーアシストはなく、最大切れ角が小さめなので小まわりは思ったほど利かなかった。
高速道路に入り加速しながら高速域を試す。
0-100km/h加速は6.9秒、最高速は160km/hとアナウンスされているが、その実力は十分にあると感じさせられる。高速道路の軽自動車の最高速度が100km/hに引き上げられているので、余裕で車両の流れに乗ることができる。
後部のシートをめくると小さめながらラゲッジスペースが登場する。2人乗車を考えればこのサイズでも嬉しい限り ただ、高速走行時はオープンモデルゆえ、風の巻き込みが大きい。できれば帽子とサングラスを装着することを勧めたい。安全を考えればヘルメットを被ってもいいくらいだろう。
コーナー区間で多めにスロットルを踏み込んでみたが、ロードホールディングが高くリバースすることはなかった。ちなみにESPはもちろんABSも搭載されていない。また、スズキがエブリイやジムニーに設定しているLSDも装着可能なようで、今後の設定を検討しているという。そうなればジムカーナやサーキット走行も楽しめるようになるだろう。
