篠塚建次郎さんのソーラーカーがギネス最高速記録を更新

Guinness篠塚健次郎さん率いる「Team SHINOZUKA」の挑戦

 篠塚建次郎さんといえば、WRCで初めて優勝した日本人であり、パリ-ダカール・ラリーで日本人初の総合優勝と、ラリー界で輝かしい成績を残してきた名ドライバー。その篠塚さんが現在取り組んでいるのがソーラーカー。そもそもは、自身の母校である東海大学のソーラーカーレース・チャレンジで、アフリカのレースに出場する際に、ドライバー兼アドバイザーとして召喚されたことがきっかけ。ソーラーカーに出会ったのは、2008年のこと。その瞬間、篠塚さんは「ソーラーカーこそ、これからの自分の一生の仕事だ」と感じたという。

 東海大学のチャレンジに協力をしていつつも大学生としてやれることには限界もあり「ソーラーカーでのチャレンジをもっと積極的に進めていきたい」ということで、2012年、自らのチーム「Team SHINOZUKA」を立ち上げた。自チームの立ち上げ直後からソーラーカーレースに挑戦しながら、ギネス記録への挑戦を目論んでいた。

チームSHINOZUKA 篠塚建次郎 テストドライブ画像これまでの最高速記録は88.738km/h

 今回、ギネス記録を達成したのは、ソーラー発電のみを動力源とする車両による最速記録「ファステスト・ソーラーパワービークル」。
通常のソーラーカーレースは、バッテリーを搭載し、電気を蓄えて走行することができる。
ところが、この最速記録ではバッテリーの搭載は不可。ソーラーパネルで発電した、まさにデキたてほやほやの電気のみで走行するというもの。

 500mの直線計測区間を2回往復して、その平均タイムでスピード算出する。ターゲットレコードは88.738km/h((2011年1月にオーストラリアのニューサウスウェールズ大学が樹立)だ。

 2012年の南アフリカ共和国で開催されたソーラーカーレースの後、「Team SHINOZUKA」は、このギネス記録にチャレンジをしたのだが、その時は79km/hしか出すことができず、新記録達成ならず。

チームSHINOZUKA 篠塚建次郎 車両走り画像2013年に再チャレンジを予定していたものの様々な体制が整わず断念。そして今年の再チャレンジに向けて準備を進めている中で、できることなら日本国内で挑戦したいという思いもあり、場所を探していたという。
ソーラーカーの発電に必要な太陽の高度(仰角)から計算すると、挑戦は沖縄周辺。しかし、その挑戦場所がなかなかない。電気を貯めることができないため、チャレンジする際は、淡々と走ってゆっくりゆっくりと速度を上昇させて計測区間に入る。その助走のための距離が必要になるわけだ。

 そうした中で、沖縄県宮古島市の下地島に30年前に出来上がったパイロット訓練用の空港「下地島空港」が存在することが判明。しかも国際空港並みの3kmもの滑走路があり、普段は使用されていない、ということでこのチャレンジにぴったりであった。
ところが、ここを管理する沖縄県と交渉したところ、常に発着できる体制にしておく必要があるということで、当初は使用許可が得られなかったという。宮古島市長がこのチャレンジの話を聞きつけ、地球環境にやさしい「我(ばん)たが美(か)ぎ島(すま)・みゃ~く」をつくることを宣言した「エコアイランド宮古島宣言」のイメージにぴったりということで、県に掛け合ってくれた。その働きもあり、特別に許可が下りたという。

チームSHINOZUKA 篠塚建次郎 チーム画像88.891km/hでギネス達成!
テストでは91.332km/hを記録

 実際にギネス認定委員の立ち合いは8月22日とし、それまでの3日間で準備とテスト走行を行った。
走行初日の8月20日にはすでに91.332km/hとギネス記録をクリアするタイムを記録。翌日は天候不順、そして認定委員立会いの下挑戦した8月22日の記録は88.891km/hで見事にギネス記録を達成。
ちなみに現在、最も記録の高かったテスト走行時のデータやビデオ等で再申請を行なっており、この90km/h超えの記録でギネスに正式認定される見込みだという。

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