学生が設計・制作したフォーミュラマシンの日本最高峰に輝いたのは?

学生が設計・制作したフォーミュラマシンの日本最高峰に輝いたのは?

 今年で12回目を数える「全日本 学生フォーミュラ大会」が、2014年9月2日(火)~6日(土)の5日間、静岡県の掛川市と袋井市にまたがるエコパ(小笠山総合運動公園)で開催された。

【関連記事】生で観るなら体力必須! 本気で挑むと「重装備」&「重労働」なレース観戦の中身

NAGOYA総合優勝を飾ったのは、昨年4位だった名古屋大学。2位は京都大学と2年連続優勝は果たせなかった。3位は昨年と同位の同志社大学でした。昨年2位だった大阪大学は、最終審査となるエンデュランスでエアロパーツのトラブルでリタイア(結果16位)。以下、豊橋技術科学大学(4位)、京都工芸繊維大学(5位)、東海大学(6位)の順であった。EVクラスは、静岡理工科大学が2連覇(総合では44位)。

学生フォーミュラとは?

 学生フォーミュラは、学生たち自らが構想・設計・製作した車両によるものづくりの総合力を競うというもの。その大元は1981年のアメリカでの大会に起因する。それに倣って日本大会は2003年から開催され、昨年からはフォーミュラSAE(SAEとは、Society of Automotive Engineersというアメリカの非営利の自動車技術者団体のこと)シリーズ大会として世界8か国11大会のシリーズに組み入れられている。また、2013年大会からEVクラスを新設している。

OSAKA
6年連続入賞、昨年総合2位で、今年こそは4年ぶりに優勝を狙うとしていた大阪大。残念な結果に

 車両は610cc以下の4サイクルエンジンを搭載(ICVクラス)、もしくは、バッテリーからの最大電力が連続的に85kWを越えない最大公称作動電圧600VDC以下(EVクラス/モーター数は制限なし)のひとり乗りフォーミュラマシン。年間1000台の生産を想定したビジネスモデルとすること、といったレギュレーションがあり、企画から設計製作、走行までを一貫した評価審査をする。

 その審査は、車検として、車両の各部の強度などを確認する各種技術検査に、車体を傾かせて燃料漏れなどのチェックをするチルト、排気音量(ICVのみ)、ブレーキ、車重、排気ガス(ICVのみ)、レインテスト(EVのみ)といった各種項目をクリアして車検通過となる。他にも、静的審査として車両製作のコスト、デザイン(設計)、そしてその車両を製造販売するためのプレゼンテーション(実際に他社に製造委託する体で企画提案する)といった審査が行われる。

一人のドライバーだけが速くても上位には入れない

 そして動的審査として、実際に車両を走らせ、75mの加速性能を競うアクセラレーション、8の字コースでコーナリング性能を競うスキッドパッド、ジムカーナ風のパイロンコースでのタイムを競うオートクロス。そしてドライバー2名で約22kmを走行し、耐久性と燃料/消費電力量を競うエンデュランス・効率といった5つの項目がある。
もちろんドライバーも学生が担当する。ドライバーは2項目以上の動的審査に出場することはできないため、一人のドライバーの技量の高さや速さがあっても上位へ行けるというわけではないのだ。

 この審査を5日間に渡って消化していくわけだが、中には、車検が通らずにこの5日を過ごしてしまうチームや、マシンの調子が悪くなってまともに走れなくなるチームもある。まさにクルマ作りの甲子園ともいえるもので、悲喜こもごも、といった状態だ。
もちろん学生であるから長くても3年これに関われればいいほうで、実際に車両に触れるのは実質1年というチームもある。ただ、この学生フォーミュラに携わり、その後自動車関連企業に就職した学生も多い。

2014JSAE
参戦の各車両のゼッケンは昨年の成績で決められている。今年は過去最多の96チームがエントリーした

 今回優勝した名古屋大学は、プレゼンテーション審査トップ、デザイン審査2位、アクセラレーション3位、そして高得点が狙えるエンデュランスでトップと、各審査項目で常に上位に食い込み得点を稼ぎ、悲願の「中部地方から優勝校を」見事達成したのだ。

画像ギャラリー