進化するマツダデザインを体感できる!

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マツダが、この「東京ミッドタウンデザインタッチ」に賛同し、展示を行なうのは今回が3回目となる。会場となる東京ミッドタウンのプラザ1Fにあるキャノピー・スクエアに「Mazda Design Atelier」と題したブースが10月26日(日)まで出現している。
ブースには、先日2014-2015日本カー・オブ・ザ・イヤーを受賞した新型デミオが展示され、デザインテーマ「魂動」のオブジェも並ぶ。そして実際にクレイモデルも展示され、さらにクレイオブジェ製作の実演会・体験会がこの週末の25日、26日(各日13時と15時の1日2回開催)にも開催となり、マツダのデザインを体感できる展示となっている。
この「デザインタッチ」に合わせて、メディア向けに体験会が開催された。会場にはマツダの中牟田 泰氏(デザイン本部アドバンスデザインスタジオ部長)と呉羽博史氏(デザイン本部デザインモデリングスタジオ部長)、そして実際にマツダで活躍するクレイモデラーの2名が参加し、実際のクレイモデルの切削などを実演した。

呉羽モデリングスタジオ部長は、マツダのデザインの進め方が他社と異なることを強調する。
通常は「2次元で表現するデザイナーが絵を描き、クレイモデラ―はその絵を元に形を作って、デザイナーとキャッチボールをしながら作業を進めていく」世界である。しかし、デザイナーが気持ちを形にするのには非常に時間がかかる。それをモデラーが待っていて、期限までに仕上げるために妥協をしてしまっていては、本当に何を表したいのか、ということになってしまう。

マツダの中では「デザイナーがお題目を唱えてそれを請けてモデラーが形作るという作業の進め方はすでに死に絶えている」という。
現在マツダでは「モデラーとデザイナーが二人三脚でやっている。モデラーが形を作り、デザイナーとともに提案していく」という。モデラーがデザインのアートピースみたいなものを山ほど造り、その中から自分たちがいちばん作りたいもの、最も美しいフォルムを得られたような結果をオブジェに置き換えていく。
そういったデザイン感度のあるモデラーが作ったモノありきでデザインを強くしていったほうが、想いが強い上に、後戻りがなく仕事も早くなるという。

また、マツダが使用するクレイ(粘土)にも特徴があるそうだ。
この粘土はワックスと樹脂でできており、温めると柔らかくなる。粘土メーカーが推奨し一般的に使われているのは、固まっても柔らかく削りやすいものだが、マツダの場合、独自のレシピで作ってもらっているという。
それは、固まった時の硬さが非常に硬質なものだという。作業をしていると妥協の気持ちが入ることがあったり、失敗してもいいやというような気持ちが出てくるが、これをなくしていくためだというのがその仕様の理由。
一撃で形を作っていく、その世界を確保するための硬さだという。クレイモデルの精度についても0.1mm以内というのが許容範囲だという。0.3mmでは志が落ちてくる。そこまで作り込んでようやくゴールという。
とデザインオブジェを作りそこから市販車のデザインに落とし込んでいくという独特の展開をしているマツダ。この強いデザインの流れはこれからも続きそうだ。