e-up! のEV界における黒船度は?

e-up! のEV界における黒船度は?

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 フォルクスワーゲンが導入する電気自動車(以下EV)第一弾「e-up!」 の販売店への試乗車デリバリーに先駆けて、メディア試乗会が開催されている。発表のタイミングで最速試乗をレポートしたが、今回はじっくりとチェックしてみたい。

 国内で購入できるEVラインナップは、三菱のミーブシリーズ(i-MiEV、ミニキャブMiEV、ミニキャブMiEVトラック)、テスラ・ロードスター、日産リーフ、スマートフォーツーED、そして今年はBMW i3、テスラ・モデルSも追加され充実してきた。この市場に、フォルクスワーゲンはe-up!を投入してきた。

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当初は、このピュアホワイトのみのボディカラーとなる。今後の展開でカラーラインナップが広がる可能性は大!

 e-up!は、ガソリンエンジンを搭載するup!のEV版である。そもそもup!はこのe-up!のために作られたというイメージを持っていたが、実はBピラーより後ろはup!とは異なるという。しかし外観は、up!とさほど変わらない。あくまでもパワーユニットの選択肢として、ガソリンエンジン以外に電気モーターも選べるようになっている、というスタンスだ。

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インパネは白を基調としたクリーンなイメージのもの。非常にシンプルな構成だ

 サイズは3545×1650×1520mm。これにバッテリーを18.7kWh積んで、車両重量は1160kgとなる。その1充電当たりの航続距離はJC08モードで185kmとなる。このスペックから見れば、三菱i-MiEVの「X」(3395×1475×1610mm/16.0kwh/1090kg/180km)に近い。

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内装はグレーとベージュのカラーのみの設定。随所にブルーのステッチがあしらわれている

 そのあたりのイメージを持って実際にe-up!に乗り込んだわけだが、これが大きく期待を裏切る結果となった。
ガソリン車に比べて、加速性能が良いというEVらしい味付けがなされているクルマ、というのが今世の中に出回っているEVの大半のイメージだろう。もちろん、どのEVも出だしは良いのだが、走っているうちにどこかしらに鈍重な感じを見つけ出してしまって、走行途中からエコランに集中してしまう、ということばかりだ。それは現行EV最強といえるテスラの2台も例外ではない。

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タコメーターがエネルギーフローメーターになっているが、メーターの構成などもup!と変わらない

 しかし、このe-up!は、いつまで乗っていても楽しくて、エコドライブモードへの切り替えボタンを押し忘れてしまうほどだ。もちろん平坦な道だけでなく、立体駐車場へのアプローチなども使ってひたすら走り回ったわけだが、アクセルペダルの踏み足しやステアリングの切り具合など、さまざまなシーンでの挙動やレスポンスのチューニングが非常に良くできているわけだ。

 気になったのはクリープ。もともとアクセルを踏まなければモーターが回らないEVにはクリープなど付いてはいないが、多くの市販EVは疑似的にクリープ機能を付けている。その強さが若干足りないと感じた。通常の走行の出来が良いだけに、停止状態からブレーキを離したときのクルマの動き方に違和感を感じることは残念でならない。この味付けも改良されれば100点満点だろう。

回生ブレーキなど多彩なドライブモード

 ドライブモードのセレクトはNormal(最高出力60kW/最大トルク210Nm)、ECO(50kW/167Nm)、ECO+(40kW/133Nm)が選択可能。切り替えスイッチはシフトゲートの前に装備されている。

 他には、Dレンジに入れたシフトレバーを左右に動かすことで回生ブレーキの回生量を3段階に調整が可能。シフトレバーを手前に引くことでBレンジ(D3よりも強い回生を得られる)を設けたことで、回生なしのDモードからD1、D2、D3、Bという5段階の回生量調整も可能となる。
ちなみに強い回生が起きた場合はブレーキランプが自動的に点くようになっている。この回生量調整操作はシフトレバーへ手を伸ばすよりもパドルなどがあったほうが操作もしやすいはず。ぜひともパドルも装備してほしい、と思う。

 床下に収納されたリチウムイオンバッテリーは12セル×17の204セル。バッテリーで夏は374V。総重量230kg。8年16万kmの保証(そのしきい値は後日発表される)が付く。

 充電口は、急速充電がボディ右リアのガソリン車の給油口リッドの位置にキーシリンダー式の充電口カバーを備えたCHAdeMO端子を標準装備。普通充電はフロントボンネット内に用意する。ケーブルの逃がしを使えば、充電コネクタを挿したままボンネットを閉めることができ(BMW i3のような2段階ロックではなく完全に閉めることが可能)イタズラ防止にも有効だ。

 その充電については、基本的には自宅での200V充電を推奨する。そのためCHAdeMO式急速充電をメインとした充電サービスネットワークへの参加やユーザーへの推奨はしない方向のようだ。また、日産や三菱のような100Vの普通充電用の充電ケーブルも用意されない。

 12月からは100台近い試乗車が日本全国の各ディーラーに配車される予定。まずは一度乗ってみてほしい。一皮むけたEVの魅力を体感できるはずだ。
(青山義明)

諸元表
車名 ---
グレード ---
全長×全幅×全高 (mm) ---×---×---
ホイールベース (mm) ---
トレッド 前/後 (mm) ---/---
車両重量 (kg) ---
パワーユニットタイプ ---
排気量 (cc) ---
最高出力 (kW[ps]/rpm) ---
最大トルク (Nm[kg-m]/rpm) ---
駆動方式 ---
トランスミッション
サスペンション 前/後 ---/---
ブレーキ 前/後 ---/---
タイヤサイズ 前/後 ---/---
JC08モード燃費 (km/L) ---
価格 (万円・税込) ---

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