日本のGT-Rがチューニングカー世界最速決定戦に参戦!

日本のGT-Rがチューニングカー世界最速決定戦に参戦!
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日本から参戦した3台のGT-R。空力パーツを装着しているが、外観はチューニングカーの領域を大きく逸脱してはいない。R35は1,000ps以上、R34は900psを誇る

 オーストラリアで10月17〜19日まで開催されたチューニングカー世界最速決定戦「WTAC(World Time Attack Challenge)」。

 このビッグイベントに、日本から日産GT-RとスカイラインGT-Rの3台が初参戦した。

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1300psのパワーを誇るR35GT-Rで挑んだHKS。ドライバーは開発を手掛けた谷口信輝選手。同アタック初のGT-Rによる1分30秒切りを目指したがトラブルで達成ならず

 新設された「R35GT-Rクラス」には、日本のチューニングパーツメーカーの雄『HKS(http://www.hks-power.co.jp/)』とトップチューナーである『トップシークレット(http://topsecret-jpn.com/)』がニッサンGT-R(R35型)。素人最速のGT-R乗りの一人である「阿蘇の大魔神」こと宮田純彦氏は、「チーム九州男児」として愛機のスカイラインGT-R(BNR34型)でトップカテゴリーのプロクラスの一つ下である「プロアマクラス」へ参戦した。

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トップシークレット号(R35GT-R)は業界のタイムアタック請負人として名高いターザン山田こと山田英二選手がドライブ。長年の経験に裏付けられたセッティング能力で着実にタイムを縮めた

 開催地はシドニー郊外の「シドニーモータースポーツパーク(旧イースタンクリーク・レースウェイ)」。タイトコーナーが多く、起伏のあるテクニカルなサーキットは重量級のGT-R(R35は車両重量が1,500kg以上)には不利なコースレイアウトであることは否めない。

 新設されたR35GT-Rクラスには日本からの2台以外に5台が参戦。しかし、HKSとトップシークレットが参加するプロGT−Rクラスへの参戦は1台のみで、パワーは600ps程度と日本からの2台に比べチューニングのレベル差は大きく、実質はHKSとトップシークレットの一騎打ちとなった。
WTACで特徴的なのはタイヤの本数が制限されていることだ。R35GT-Rクラスは12本(3セット)、プロアマクラスは16本(4セット)と決められている。

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メインストレート以外はタイトターンが多く、高低差もあるシドニーモータースポーツパーク。勝つためにはパワーだけでなく、軽量な空力マシンとして煮詰める必要がある

 決勝は18〜19日の2日間、アタックは1回15分間で、1日3回まで。2日間で合計6回のアタックを行うことになる。タイヤをいかにコントロールするかで、戦略を大きく左右する。また、3日間にまたがるタイムアタックイベントは日本にはない独特なものである。

 結果は最終日に電気系のトラブルに見舞われたが、決勝初日の夕方に出した1分30秒838でHKSが逃げ切り、R35クラスの初代ウィナーに輝いた。
一方のトップシークレットはトラブルもなく、アタックのたびにタイムを縮め続けたが、1分31秒725と僅かに届かず2位。ただ、日本のR35チューニングの実力の高さと熱い走りは現地のファンを多いに湧かせた。

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チーム九州男児のR34型スカイラインGT-RはエアロメーカーであるVOLTEXの協力により、空力マシンに進化。ドライバーの宮田氏は初めてのコースにも過かわらず見事なタイムを刻んだ

 一方、チーム九州男児のスカイランGT-R(BNR34型)は2日の最終セッションで4位に転落するも、上位5台が参加できるシュートアウト(1ラップアタック)で激走し、見事逆転。1分31秒686で強豪ひしめくプロアマクラスで見事3位表彰台を獲得! 不眠不休でサポートしてくれた仲間とともに喜びを分ち合った。
ちなみにオールオーバーの1位のタイムは1分24秒841。Sタイヤでスリックタイヤを履くR35GT-Rよりも6秒も速い。
このサーキットでR35が勝つためには更なる軽量化と空力の進化が必要。ただ、それは公道を走るチューニングカーの領域を超えることとなり、一般とはかけ離れた存在になる。勝つために大胆に変貌を遂げるのか、それともチューニングカーに拘るのか。チューニングメーカー、チューニングショップとしては悩ましい問題であることは確かだ。

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総合優勝は昨年の王者でもある「チルトンレーシング」のランエボ。カーボンを全身に纏い、エイのような空力パーツを装着。チューニングカーの領域から外れつつあるのが残念

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