「新車」のNSXにまだ乗れる!?

「新車」のNSXにまだ乗れる!?

NSX OWNERS FILE

 生産終了して12年経過したNSXだが、ホンダは今もなお「NSXを新車に戻す」サービスを行っている。その名も「NSXリフレッシュプラン」。
高根沢にあるリフレッシュセンターで専任スタッフが内外装、エンジン、シャシーに至るまで、劣化した部分を全て新品部品に交換し、徹底的にリフレッシュするわけだが、その内容が尋常でないのだ。

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基本的には1台につき一人の専任スタッフがつき、丹念にオーバーホールを行っている。昨年は年間で12台ほど施工したという

 まず「新品の純正部品がまだ手に入る」ということ。旧車オーナーがもっとも悩ましいのは「新品パーツが手に入らない」ことだろう。ホンダは「NSXリフレッシュプラン」を行うために、部品サプライヤーに「NSXの純正部品の生産継続」を依頼している。

 とはいえ、サプライヤー側ののっぴきならない事情のためにどうしても部品が作れなくなる場合もある。そのときは実質的にはワンオフで部品を作ってもらったり、当時の図面を起こし直して他のサプライヤーに製造を振り替えたりしてもらっているのだ。

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純正部品の品質を維持することが最近の悩みの種。例え同じ純正品番のパーツでも微妙にクオリティが異なることがあるとか

 驚くのはこれからだ。「NSX-R GT」というグレードを覚えているだろうか? スーパーGT参戦用のホモロゲ取得用超スペシャルグレードなのだが、5台限定でたった1台しか売れなかったという幻のグレード。が、そのためになんとNSX-R GT用の部品を残している! 正確には「専用品(バンパーなど)を製作するための金型をまだ残している」ということなのだが、世界でたった1台しか存在しないクルマのために、そこまでやるとは驚きだ。

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写真はリフレッシュセンターの純正部品倉庫。1台ずつ作業内容が異なるため、部品別ではなくオーナー別に振り分け、管理

 また、純正装着タイヤが未だに手に入る点もすごい。12年前のクルマを「新車に戻す」ということは、タイヤも当然「新車当時の純正装着」を装着しなければならない。そのためにホンダはいまだにタイヤメーカーに依頼して、NSXの純正装着タイヤを作ってもらっている(!)。さすがに銘柄はBSとYHのみだが「どちらかのメーカーが、各グレードのタイヤサイズを網羅」しているという。

 基本的にはアルミモノコックボディさえ無事なら、全てをリフレッシュした「NSXの新車」を作ることが可能だ。実際にオーダーがあり施工したところ、そのときは1700万円近くかかったらしいが……。とても夢のある話ではないだろうか?

 ちなみにホンダは「NSXを孫の代まで乗れるようにしたい」とアナウンスしており、2040年まではこの体制を維持するという。

  

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