
トヨタの新型車「エスクァイア」。最初にハッキリいうが、新規車名が付けられているもののメカニズム的にはノア&ヴォクシーである。だからパワートレインのラインアップも同じ、走りも同じだ。
押しの強いグリルがエクスァイア最大の特徴ともいえる。ワル系の迫力と高級感を併せもつエクステリア では何が違うのか? まずは外観。ギラギラとした大型のグリルがエスクァイアのウリ。ワル系ともいえるが、ノア&ヴォクシーよりも上質なことを全面に出している。
さらに内装でいえば、合成皮革を用いたシートや加飾、ピアノブラックのパネルを使用するグレードを用意し、やはり高級感を打ち出した。スーパーロングスライドシートなど、シートアレンジや機能装備などはノア&ヴォクシーとまったく同じだ。
確かに高級感は感じるが、押しの強すぎる外観は好みのわかれるところ。そもそもノア&ヴォクシー自体、標準とエアログレードと、外観を2種類ずつ用意し、つまり4種類の外観が選べたのだ。これにエスクァイアが加わり、5種類の外観が選択できるようになったことになる。
ノア&ヴォクシーのエアログレードは、ハイブリッドがなくエンジン仕様のみであることを差し引いても、ここまでラインアップを広げた理由は何か? 実際にはノアがカローラ店、ヴォクシーがネッツ店扱いであったため、トヨタ店とトヨペット店で売るモデル、エスクァイアが必要だったということもあるだろう。ちなみにエスクァイアにはエアログレードはなく、15インチタイヤのみとなる。
グレード展開は大まかにわけて2Lガソリン車と1.8L+モーターのハイブリッド車という2種類のパワートレイン、それぞれに7人/8人乗りが設定される。
ピアノブラックのセンタークラスターパネル、合成皮革のシートやドアトリムなどノアヴォクよりも上質な室内をもつグレードを用意
ラゲッジアレンジはノアヴォクと同じ。3列目シートを左右に跳ね上げて容量を拡大することができる
上質な室内のエスクァイアに乗るなら2列目がセパレートされた7人乗りのほうがより高級感を味わえるのでオススメ
3列目を跳ね上げて2列目をスライドすれば、広大な空間が生まれる画像はこちら
ノアヴォクのエアログレード(Si/ZS)に相当するグレードの設定はなし。従ってタイヤは15インチのみとなる 走りは街乗りならどちらのパワートレインも過不足なく十分。5名以上で高速移動などを考えるとガソリン車のほうがベターである。もちろん“速さ”を求めるクルマではないが、プリウス系と同じハイブリッドシステムはこの高負荷時にエンジンの唸り音が気になるため。
ただしJC08モード燃費の、ハイブリッド車23.8km/L、ガソリン車16.0km/L(2WD)という数字を考えれば、4WDが必要な地域以外はハイブリッド一択ということになるか。街乗りならEV走行モードの割合も増えるので全体的に静かさもハイブリッドのほうが上。そういう意味からもエスクァイアの上質さを感じるならやはりハイブリッドがいいだろう。
パワートレインに関係なく気になるポイントはフロアの振動だ。これはもちろんノア&ヴォクシーから感じていたものだが、エスクァイアが上質さをウリにしているモデルだけに、そういう気持ちで評価すると目に付くのである。購入するなら、日常使用する乗車人数を揃えて2列目/3列目など各シートに座らせてディーラーで試乗を行ない、乗り心地チェックをすることをオススメする。