エイやハンマーシャーク(?)がいるWTAC

エイやハンマーシャーク(?)がいるWTAC
WTAC
今回のWTACで最も大胆に作り込まれたマシンがPMQ Racingの三菱ランサー・エボリューション。ウィング&エアロパーツ以外はノーマル風に見えるが、ボディはオールカーボン。剛性と軽量化を両立するためにフロントドア2枚は上半分のみ開く構造。また、フロント部はカウル一体の脱着型でノーマルよりも前方に延長される

 またまた、オーストラリアで10月に開催されたWTAC(World Time Attack Challeng・すでに1ヵ月半も経過しているので、もっと早くに出せってお叱りの声が聞こえてきそうだが……)の話題。

WTAC
日本勢で現地のWTACマシンに肉薄するボディメイクが施されるスコーチレーシングのS15型シルビア。リヤの足まわりはメンバーごと作り替えられ、構造もマルチリンクからダブルウィッシュボーンに変更。整流を考えた大胆なリヤセクション&アンダーフロアのデザインなど、もはやシルビアの原型を止めていない

 ここに参戦する現地の有力チームのマシンメイクは、フロントマスクの前方だけでなく、車幅から大きくはみ出した巨大なエアロパーツと、フロア下からリヤに向けて跳ね上がるアンダーデフューザー(ボディ下の空気をスムースに流して車体が路面に張り付くようなベンチュリー効果を発揮)が特徴。
その姿はハンマーヘッドシャークやエイ、はたまたチリトリのようで、日本のチューニングカーやタイムアタックシーンで見掛けない独自のものとなっている。

  

WTAC
WTACマシンのエアロメイクは真横からよくわかる。前方せり出したアンダーボード、左右に張り出したウィング。高められたフロントのダウンフォースに合わせ、フロア下のフラット化&リアセクションを延長。空気を上手く引き抜くことで、前との空力のバランスを整えながら、ボディリフトを抑えている

 その独特のマシンメイクはWTACの開催されるシドニー郊外のサーキット「シドニー・モータースポーツ・パーク」のコースレイアウトが生んだものだ。
全長は約3.9kmと宮城県村田町のスポーツランドSUGOとほぼ同じであるが、約800mの下りの直線を除けば、起伏のあるテクニカルコース。中にはかなりRの小さなコーナーや丘陵によるブラインドもあり、ドライバーにはかなりスリリングなレイアウトだ。
ストレートが長いのでエンジンのパワーも必要だが、コーナリング性能を高めることが攻略の鍵となる。パワーが強力になり、ボディの軽量化が進めば進むほど、しっかりとマシンを接地させるために、ボディを路面に押さえつけるためより大きな力が必要となる。
特に重要視されているのがフロントの荷重をどこまで高めるか。レギュレーションにもエアロパーツに関する明確な規制がないこともあり、より強力なダウンフォースを得るため、エアロパーツは年々車幅から外へはみ出していった。
その気迫溢れるフロントデザインに合せて、リヤのダウンフォースを高める処理を施す必要があり、それがどんどん進化して現在のような姿になったのである。「勝つためには何でもあり!!」。WTACのマシンメイクにはオーストラリアの本気が詰まっているのだ。

 WTACの模様は、12月1日発売のGT-R Magazine120号(交通タイムス社刊)でも掲載している。
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