アテンザを担当した松岡英樹開発主査(左)と、玉谷 聡チーフデザイナー 今回の大幅改良では、マツダの最新のクルマづくりの考え方・技術を反映させるため、よくわる新鮮味を出すだけの化粧直しではなく、あらゆる領域の熟成、深化を目指している。
CX-5を担当した大塚正志開発主査
それが端的に表れているのが、アテンザのインテリアの刷新だ。モデルチェンジかと思うほどの変更を加えている。インストルメントパネルやセンターコンソールを変更し、電動パーキングブレーキ全車標準装備、マツダ初採用の後席シートヒーターも装備する。
もちろんエクステリアの変更も行っている。しかし、この大幅変更は目に見えるところだけにはとどまらない。走り、機能性、乗り心地、安全性といった面も含めてより洗練されたものに進化。また、4WDモデルの追加も行われた。
走り(ドライビングダイナミクス)については、マツダの「人馬一体」に「上質さ」をプラスすることを目指した改良が行われている。サスペンションをよりしなやかに動かすことと、不快な音を低減することを求めていったという。
フロントサスペンションのロアアームのブッシュは、車両取り付け前にセンターに位置していたホールの位置を、車両に取り付けた状態でセンターに来るように形状を変更
リアダンパーはピストン径を25mmから30mmにアップしている
画像はこちら 具体的にはサスペンションまわりで大掛かりな変更が行われている。フロントサスペンションのロアアームのブッシュの変更、ダンパーの微低速域のフリクションを減らし、CX-5ではスプリングの形状とシート形状も見直した。リアのダンパーはピストンサイズをひと回り大きくフリクションコントロールデバイスも採用し、なめらかな動きと上質な乗り心地を実現した。
車両後方側のトンネルメンバーは部品板厚や材質は変更しないものの折れの形状を見直すなどした変更を加えた
2WDモデル(左)とは大きく形状を変えることとなった4WDモデルのフロント側トンネルメンバー
4WD用のメンバーは、板を2枚重ねにしているため、2WDモデルの2.79?に対し、4.14?と重量増となった
画像はこちら アテンザに今回追加された4WDモデルでは、床下センターを通るセンタートンネルをふさぐメンバーに大幅な制限ができてしまったため、板を2枚にするなどして対策を施し、剛性を確保している。
地道に細かなところまで手を入れ、少しでもクルマを良くしてオーナーに届けたいという思いが詰まった2台がまだマツダの評価を上げることになるだろう。