トヨタが燃料電池車の特許を無償公開

トヨタが燃料電池車の特許を無償公開

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2015CES_Toyota_006_W1920_H1280ラスベガスで開催されている2015コンシューマー・エレクトロニクス・ショー(CES)で、トヨタは燃料電池車(FCV)関連の特許(審査継続中)の実施権を無償提供すると米国トヨタのボブ・カーター副社長が発表。
その特許は約5680件。具体的な内容としては、燃料電池スタック(約1970件)・高圧水素タンク(約290件)・燃料電池システム制御(約3350件)。
FCVの開発・生産の根幹となる燃料電池システム関連の特許特許を実施してFCVの製造・販売を行う場合、市場導入初期(2020年末までを想定)の特許実施権を無償としている。
また、水素供給・製造といった水素ステーション関連の特許(約70件)は、水素ステーションの早期普及に貢献するため、水素ステーションの設置・運営を行う場合の特許実施権を、期間を限定することなく無償としている。
特許実施に際しては、特許実施権の提供を受ける通常の手続きと同様に、具体的な実施条件などについて個別協議の上でトヨタと契約書を締結することになっている。
D20_1144多岐にわたる特許の中で、一番のポイントは高圧水素タンクも構造にある。水素は700気圧もの高圧で圧縮されて液化される。700気圧なんて、普通の空気の700倍。気の遠くなるような圧力だ。
MIRAIは、燃料になる700気圧もの水素を抱いて走る。そのためにトヨタは社内に特別プロジェクトを作り、水素タンクを開発してきた。世の中に、安全な高圧タンクはあまりないからだ。完成したタンクはカーボンやガラス繊維で強化されしかも25kgにまで軽量化されていた(これまで40mmの肉厚が必要とされていたのにだ!)。
また、クルマがクラッシュしても、高度なセンサーを備えた水素が放出するバルブも設けられている。しかも、たとえピストルのタマを撃ちこまれても壊れないほど安全だという。トヨタ高圧水素タンクは新技術の山なのだ。
なぜ、トヨタはここまで次世代車の特許を無償公開すること踏み切ったのだろうか?

昨年の新城ラリーでMIRAIのプロトカーを00カーとして使用。トヨタの豊田章男社長がドライブした
昨年の新城ラリーでMIRAIのプロトカーを00カーとして使用。トヨタの豊田章男社長がドライブして、燃料電池車が身近なクルマとアピールした

 トヨタ一社で水素ステーションなどの整備することはできない。FCVを広めるには、インフラ整備は必須。そのためにもライバルの参入は必要なのである。昨年、FCVの市販化を発表したホンダは、高圧水素タンクをトヨタのように自社で製造するとも開発しているとも断言してない。つまり、トヨタが特許を公開することで、その開発は一気に進むことにもなる。
このように、今回の技術公開は、トヨタがFCVにかける決意がはっきりと見て取れるといえるだろう。

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