ホンダ・グレイスはコンパクトな上質セダン

ホンダがセダン復活の狼煙を上げた!
アコードに続いてリリースされたホンダのセダン、グレイスを1週間ほどCARトップ編集部・石田が日常使用したのでリポートします。

まず最初に、このクルマは断じてフィットセダンじゃない。
見た目、室内の雰囲気、装備、そして走りに至るまでフィットとはまるで別モノ。かつてのフィット・アリアが復活したんじゃありません。
それでは細かくみていきましょう。
グレイスはハイブリッド専用車で、搭載されるパワートレインはフィットハイブリッドと基本的に同じでNA1.5Lエンジン+モーターが内蔵された7速

DCT。これは大人気のヴェゼルハイブリッドにも採用されているもの。この特徴はダイレクト感の強さで、ガンガン回して走れば従来のガソリンエンジン車とほとんど変わらないような走りで、ハイブリッドとしてはかなり楽しい部類。
一方でトヨタ系ハイブリッドのようなエコカーらしさ、走りの特別感は少ない。ただし、ゼロ発進時にやや多めにアクセルを踏むと「グイッ」と背中を押されるように蹴り出される(実際はFFなので引っ張られてますが)。このモーター特有のゼロ発進トルク感に、ハイブリッドらしさは感じられる。

さて、走りの何がフィットハイブリッドと違うのか?
これは少し荒れた道を走れば100mでもわかる、質感の高さ。たとえばコンビニに入るための段差を乗り越えればそのしなやかさに驚くはず。欧州シビックに使われている液封コンプライアンスブッシュの採用などが影響している模様。まぁとにかく、日頃CT編集部のスタッフカーとして使用しているフィットハイブリッドよりもしなやかなことは間違いありません。

勘違いしてほしくないのは、足が柔らかくなったのとは違うということ。あくまで1クラス上の上質さが味わえると思ってください。ちなみに、CT編集部のフィットハイブリッドは初期モノで、噂では今後フィットもこのグレイスと同じブッシュなどが採用されるのだとか。
また、首都高の継ぎ目の多い道路でコーナーを曲がると、従来のフィットハイブリッドはフロントがバタつく印象だった。それに比べるとグレイスはフロントの安定感がアップ。劇的に、というほどではないが路面とタイヤの接地感が向上している。
残念なのは試乗グレードが「真ん中」のLXでパドルシフトがなかったこと。やはりせっかくの7速DCTを存分に活用して楽しむならMT操作が必須。シフトセレクターレバーではMT操作ができないため、グレイスを選ぶなら最上位グレードのEXしかないということになる。これは全車標準にしてほしい。
もうひとつ気になったのはタイヤ。試乗車はヨコハマ ブルーアースを装着していたが、このエコタイヤは転がり抵抗を下げるためのトレッドの固さゆえか、「ゴロゴロ感」が強く、ノイズも大きめ。グレイスの質感の高さが気に入っていただけに、違うタイヤ銘柄を試してみたいと思った。

室内に目を向けると、なんとメーターデザインがフィットハイブリッドと違う! こういうところはオーナーにとって嬉しいところ。
また、リヤシートは明らかにフィットハイブリッドより豪華なもの。これはフィットのウリである座面跳ね上げなどのアレンジがないため可能になったこと。
リヤシート用エアコン吹き出し口がセンターコンソールの後端に全車標準装備されるところにも、グレイスの本気っぷりが伺える。

フィットはハッチバックならではのもともとのラゲッジスペースの広さや、ウルトラシートと呼ばれる優れたシートアレンジがウリ。一方で装備やシートを含め、グレイスは質感の高さを求めた感じ、上質で落ち着いたセダンらしさをシッカリ味わえる。セダンファンはもちろん、少し贅沢な雰囲気を味わいたいひとにオススメの一台でしょう!
諸元表 | |
---|---|
車名 | --- |
グレード | --- |
全長×全幅×全高 (mm) | ---×---×--- |
ホイールベース (mm) | --- |
トレッド 前/後 (mm) | ---/--- |
車両重量 (kg) | --- |
パワーユニットタイプ | --- |
排気量 (cc) | --- |
最高出力 (kW[ps]/rpm) | --- |
最大トルク (Nm[kg-m]/rpm) | --- |
駆動方式 | --- |
トランスミッション | 速 |
サスペンション 前/後 | ---/--- |
ブレーキ 前/後 | ---/--- |
タイヤサイズ 前/後 | ---/--- |
JC08モード燃費 (km/L) | --- |
価格 (万円・税込) | --- |