大阪オートメッセ2015 ~ VIPスタイル 出展車両詳細情報その1

大阪オートメッセに、VIPスタイルは本誌の表紙を飾った3台のクルマを出展。
そこで、今日から3回に渡って、3台それぞれのクルマのバックボーンを知って頂くために、当時の表紙の記事を掲載します。ぜひ、3台のクルマの素晴らしさをご堪能ください。まずは、愛知県の中山クンのクラウンからスタート。
※以下の記事は、2013年6月号のVIPスタイルから抜粋しています。

いつまでも見ていたいと思わせるほど美しい
グラマラスで女性的なボディライン
アグレッシブなワンオフで全国に名前を売ったブラックパールコンプリート。最近ではメーカーとしての活躍が目覚ましいが、このゼロクラで改めてブラパルのブラパルたる所以を見せつけてきた。
「完璧に自分のイメージをカタチにしてくれました」。中山クン×内海サンのベストタッグが生み出した、モアエレガントなゼロクラが今月の表紙を飾る。
過去に、このアングルで表紙を飾ったクルマは一台もいない。下から見るとカッコイイというのはよくあるが、こんな風に上から見てカッコイイというのは、まずいない。
「自分で言うのはどうかと思うんですが(笑)、凄く迫力があって、車種不明感もあって、上からの角度ってめちゃめちゃ好きなんです」。
360度、全身に手が入り、その一つ一つが実に個性的。このクルマは、その全貌を見せつけられる、この角度こそがベストアングル。そして、何度も言うが、この角度で絵になるクルマは、そうはいない。
製作のきっかけは、昨年のセッションイベント。
「近藤連合サンのゼロクラを見て、『フェンダーでこんなに迫力が出るんだ!』って衝撃を受けたのが、今仕様を作ったきっかけなんです」。
前仕様に続き、今回も中山クンがタッグを組んだのは、ブラックパールコンプリートの内海サン。9月~1月までの約5ヶ月間、前後のブリスターをメインに、あらゆる箇所をフルリメイク。試行錯誤を重ね、モアエレガントがコンセプトのスタイルに辿り着いた。
「でき上がった姿を見た時、心の底から、やっぱり内海サンを信じて良かったなって思いました」。
デビューは大阪オートメッセ。ジュエリーラインの新作であるLSと200クラウンを両脇に携え、一段高い舞台の上に堂々と鎮座。その展示方法から、中山クンの一台が、内海サンにとっても大切な一台なんだというのがよく伝わってきた。
美しいラインを存分に堪能したいのなら、少し離れた位置に立ち、真横を眺めるのがオススメだ。そこには無駄なラインが一つもない。数・太さ・角度、その全部を計算し、完璧なバランスを誇っている。
「前仕様はほぼノーマルだったサイドからの見た目がコンプレックスでした。それもあって、今回は自分がやりたいことを全部、内海サンに伝えたんです。正直、アレもコレもって言い過ぎたかなって思っていたんですけど(笑)、実際にでき上がった姿は想像以上にキレイにまとまっていて、本当に感動しました」。
フロントフェンダーは8センチ。肩を寝かせたラインはエアロとフェンダーダクトへ自然に流れていく。前後のドアには徐々に彫りが深くなっていくラインを通し、マットブラックで塗り分けたドアダクトに融合。このゼロクラの重厚感の要因は、その後ろに控える15センチ出しのリアフェンダーで、ブリスターとオーバーフェンダーの2段構えによる凹凸感は大迫力。3つのコの字で収束させたリアクォーター部のデザインは、思わず息を飲むほど独創的。
「ミミもバランスをとって太めにして、くっきりとメリハリをつけたのがこだわりです。リアのドアノブは見た目重視で取っ払っていますが、ドアダクトの上につけたポップアップ式のスイッチで、ちゃんと開くようになっています」。
グラマラスで、エレガント。柔らかなラインやシャープなラインを、集約させたり解き放ったり。一般的にフェンダーの例えとして使うことはほとんどないのだが、このブリスターには〈女性的〉という3文字が、ピッタリとハマる気がする。
「膨張色の白系は、恐らくデブな見映えになるだろうって判断して却下。黒系も、せっかくのラインが埋もれてしまうので避けました。色見本を何度も何度も見て、ようやく見付けたのが、この色なんです」。
少しだけフラットベースを多めに調合し、メタリックの粒子を際立たせているのもポイント。
「自分的にはハッキリとした陰影で凄く怪しい雰囲気が漂う、夜の色目が気に入っています」。
夜撮中、「めっちゃカッコイイ」と聞こえるように言いながら自転車で横を通り過ぎる関西独特(!?)のおばちゃんを筆頭に、色々な人に何度も話かけられた。
「こんな経験は今まで一度もなかったんで、本当に嬉しかったです」。
ブラパルが総力を挙げて作った、アグレッシブ仕様の集大成。タッグを組んだ内海サンには、
「あなたのセンスは本物。言葉にならないほど感謝しています」。