耕耘機からF1まで Powered by HONDA

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 3月6日、ツインリンクもてぎで開催されたホンダの取材会。今回の取材対象はクルマでもバイクでもない。「さあ試してみてください」と用意されたのは、耕耘機やら、芝刈り機、高圧洗浄機、はたまた生鮮市場構内運搬車(通称・ターレー)といった、いわゆる「働く機械」だ。

ゲゲゲの鬼太郎に出てくる“からかさ小僧”のような見た目。道路工事で用いられる地面を平らにならすためのタンピングランマー(三笠産業社製)。安定性は高く、素人でも意外と扱いやすかったりする
ゲゲゲの鬼太郎に出てくる“からかさ小僧”のような見た目。道路工事で用いられる地面を平らにならすためのタンピングランマー(三笠産業社製)。安定性は高く、素人でも意外と扱いやすかったりする

 汎用エンジンをご存知だろうか? 文字どおり、広くさまざまな用途に使われるエンジンのことで、ホンダでは、上記以外にも発電機やポンプ、あるいは除雪機など、完成機メーカーにさまざまなタイプを供給。生産台数は世界2位(業務用エンジンとしては1位)というシェアを誇っているのである。

 目の前に居並ぶ、多種多様な機械のエンジンに火を入れ、片っ端から動かしてみる。どれもこれも触るのさえ初めて。各完成機メーカーの担当者に「どうですか?」と聞かれて、「ええ、まあ…」と、イヤな汗をかきながら曖昧な返事をする。じつはまるでわかっちゃいない。

 とはいえ、しばらく動かしているうちに、“手足のように”とは言わないまでも、なんとか普通に動かすことができるようになる。つまり、意外と扱いやすい。

生鮮市場の構内で魚介や野菜などを運ぶためのマイティカーは関東農機社製(ターレーとも呼ばれる)。390ccの単気筒エンジンはクリーンな天然ガス仕様。最大舵角は90度、小回り性のよさを利してキュンキュンと縦横無尽に走りまわることができる
生鮮市場の構内で魚介や野菜などを運ぶためのマイティカーは関東農機社製(ターレーとも呼ばれる)。390ccの単気筒エンジンはクリーンな天然ガス仕様。最大舵角は90度、小回り性のよさを利してキュンキュンと縦横無尽に走りまわることができる

 それもそのはず。ホンダの場合、膨大なバリエーションの中から最適なエンジンを選定するだけでなく、最適なタイプがなければ新たにカスタムエンジンや、より高機能なエンジンを作ったり、完成機メーカーとともに機械とのマッチングテストを重ねるなど、効率や操作性、快適性の熟成を図っているからだ。なるほど、「プロのために作られた道具は素人にも扱いやすい」という言葉にも思わず納得だ。

 いままで、「完成している機械に組み込むだけ」といったイメージのあった汎用エンジンだったが、じつはそんな単純なものではない。今季からF1にエンジンサプライヤーとして復帰する、ホンダの姿勢や取り組みと変わらないといったら大袈裟だろうか?

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