樹脂系パーツは一冬ごとに劣化している

樹脂系パーツは一冬ごとに劣化している

 かつてクルマの寿命は10年、10万kmといわれていた。しかし、近年のクルマは精度や剛性が高まり、10万km走行してもまだまだ走れるようになっている。もちろん、それなりのメンテナンスは必要となるが。また、これまでの日本経済事情から新車への乗り換えサイクルが長くなり、登録から10年以上というクルマもけっして少なくない。

樹脂製の冷却ファンに経年劣化で発生した亀裂
樹脂製の冷却ファンに経年劣化で発生した亀裂

  

 そんなクルマには、たくさんの樹脂パーツが使われている。これらの樹脂パーツは、新車のうちは問題ないが、10年近く使っていると徐々に硬化。とくに気温が低くなる冬場になると、硬化が進行してギシギシと軋み音を発することも……。
そんな軋み音も春になって気温が上がってくるにつれ、か細くなって聞こえなくなるかもしれない。が、異音の有無にかかわらず、一冬ごとに、樹脂パーツの効果と劣化は進んでいる。ちょっと古いクルマに乗っているオーナーは、春先のメンテナンスを怠らないようにしてほしいところだ。思わぬところが痛んでいることも……

  

 例えば、写真のクーリングファン(ラジエターファン)。

 ファンの付け根にいく筋ものクラックが入っているではありませんか!

ラジエータのファン自体の費用はけっして高くない。むしろ、ケチってオーバーヒートさせたほうがダメージは大きい
ラジエータのファン自体の費用はけっして高くない。むしろ、ケチってオーバーヒートさせたほうがダメージは大きい

 このぐらいのクラックでも、すぐに割れて、羽根が飛び散るという惨事にはならないだろうが、放っておくのはあまりにもリスキー。なによりファンからの送風が止まればオーバーヒート。エンジン本体へのダメージも修理費も尋常ではない。パーツ単価は安価(5000~8000円)などで、クラックを見つけたら早めに交換しておくべきだ。

 もし、ファン交換時に、ラジエータ本体を脱着する必要があるのなら、ラジエータに詰まったゴミなども取り除くことで失われていた冷却性能が取り戻せる。

 また、樹脂パーツといえば、ラジエータのアッパータンクやロアタンクも要注意。エンジンで熱くなったクーラント(冷却水)が入るわけだから、その温度差は高い。さらに、冷却水の沸点を高めるために圧力がかかっているから、もし樹脂部にヒビが入っていればエンジンが動いているときにクーラントがにじみ出してくる可能性も高い。さらにタンクのコア(冷却用フィン)の部分と樹脂製のアッパータンクのかしめ(接合部)の部分からも、クーラントが漏れるトラブルも少なくない。

 クーラントのリークは、匂いで気づく場合も多いが、クーラントが飛び散ったところは、乾くと白くなる。やはり定期的にボンネットを開いて目視点検しておくことが、トラブルの早期発見につながるのだ。

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