[試乗記]軽自動車という既成概念を打ち破るホンダS660

[試乗記]軽自動車という既成概念を打ち破るホンダS660

 販売開始からわずか4日間で5200台の受注を突破したというS660。これからオーダーを入れた場合は納車が年末になるそうで、どれだけ登場を待ち望んでいた人が多かったのかという証だろう。
S660は、本田技術研究所の創立50周年記念の「新商品提案企画」から生まれたプロジェクトで、開発主査を務めた椋本陵LPLを始め、携わっているエンジニアの多くが若手という、これまでにない画期的なチームによって作り上げられた。

運転席後方に搭載する横置き660cc直3インタークーラーターボエンジン。Nシリーズと同型のエンジンだが、専用タービンなどの採用で軽自動車最大となるトルク104N・mを発揮する
運転席後方に搭載する横置き660cc直3インタークーラーターボエンジン。Nシリーズと同型のエンジンだが、専用タービンなどの採用で軽自動車最大となるトルク104N・mを発揮する

 若手のエンジニアが本当にやりたいこと、乗りたいクルマを目指して開発したS660は、低速域の街乗りからワインディングまで、どの領域でもコンセプトとして掲げている「痛快ハンドリングマシン」の呼び名に相応しい仕上がりとなっていた。

 試乗会のステージとして用意された高知は、快適に走れるワインディングや海岸線沿いの道、街中は路面電車の走るレトロな雰囲気とさまざまなシチュエーションが近い距離にあり、S660の楽しさを体感するに十分なところだった。

キャビン後方のロールゲージのところはガラスがはめ込まれている。その中央は電動ウインドウで開閉可能
キャビン後方のロールゲージのところはガラスがはめ込まれている。その中央は電動ウインドウで開閉可能

 まず、ルーフを閉じたまま上級グレードのαに乗ってスタート地点となるホテルを出発。軽自動車では初となる新設計の6速MTは、適度に短いシフトストローク量、シフトチェンジ時のギアの吸い込まれる感覚などスポーツカーに相応しい仕立てで、シフトチェンジを楽しみながら街中を走った。
ルーフを閉じていてもリヤに設けられた小窓を開けるとエンジンとエキゾースト音が聞こえてくる。室内は思いの外に閉塞感はなく、大人二人が乗っても窮屈ではない。
路面電車の軌道や多少荒れた街中の道だったが、やや硬めのサスペンションながら不快な印象は感じなかった。また、2600rpmで最大トルクの104Nmを発揮するエンジンは、660ccとは思えないほどトルクフルで低速からアクセスを踏み込めば、瞬時に加速体制に入っていく。軽ターボにありがちなもたつきといったストレスは皆無だ。
C62T3268 街中を抜けて海沿いの道を走り、ワインディングへとクルマを進めるとS660の本領が発揮される。専用設計された高剛性ボディと的確に作動するサスペンションにより、限界域は非常に高くドライバーの意思通りに動き、そしてコーナリングしていく。
適度にクロスされた6速 MTのギヤ比とトルクフルなエンジンにより、勾配のきつい坂道でも軽々と登っていった。ドライバーが鞭を入れれば、その期待に十分に応えるし、リラックスしてクルージングをしていても十分に軽快感や爽快感を味わうことができる。どんな領域でも楽しめるところに完成度の高さを感じた。

 軽自動車の規格に収ってはいるが、クラスレスな質感と楽しさを実現しているS660。若手エンジニア達のチームワークや各部門との意思共有などが確実にできていたからこそ、この高次元なバランスや完成度で仕上がったのだと痛感させられた。

諸元表
車名 ---
グレード ---
全長×全幅×全高 (mm) ---×---×---
ホイールベース (mm) ---
トレッド 前/後 (mm) ---/---
車両重量 (kg) ---
パワーユニットタイプ ---
排気量 (cc) ---
最高出力 (kW[ps]/rpm) ---
最大トルク (Nm[kg-m]/rpm) ---
駆動方式 ---
トランスミッション
サスペンション 前/後 ---/---
ブレーキ 前/後 ---/---
タイヤサイズ 前/後 ---/---
JC08モード燃費 (km/L) ---
価格 (万円・税込) ---

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