天候不良で2度も延期された首都高晴海線・橋桁架設工事 (1/2ページ)

天候不良で2度も延期された首都高晴海線・橋桁架設工事

豊洲新市場からの物流ルートの要となる首都高晴海線

 現在、建設が進む首都高速晴海線は、高速湾岸線の東雲JCTから晴海までをつなぐ路線。ここは人口が増加する東京の晴海、豊洲地区からの交通量増加に加え、平成28年に開場が予定されている豊洲新市場からの物流ルートにも対応できる東京臨海地域の交通の要として期待されているところだ。

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2 また、2020年に開催される東京オリンピックの選手村もこの地区に建設されるということで、そういう面でも利用価値のある路線といえるだろう。

 首都高速晴海線の完成は平成29年度を予定しているが、東雲JCTから豊洲までの区間は平成22年に完成し通行が開始されている。そして残りの晴海までの1.2kmについては建設の真っ最中だが、この区間は地面に立つ高架橋ではなく、晴海運河を渡る橋となる。

現地には晴海大橋の完成模型も展示。奥が晴海方面で、手前が湾岸線東雲という位置。3本の道路のうち、中央が首都高速晴海線
現地には晴海大橋の完成模型も展示。奥が晴海方面で、手前が湾岸線東雲という位置。3本の道路のうち、中央が首都高速晴海線

 この晴海運河を渡る橋は一般道である晴海通りの「晴海大橋」としてすでに開通していて、首都高速晴海線は晴海通りの上下線の道路挟まれる感じ。写真を見てもわかるように橋のセンター部分を通り、そのまま晴海通りと合流する作りになっていた。

 そして4月22日に、この晴海区間の橋桁架設工事が公開された。この工事は台船リフトアップ架設工法と呼ぶ方法で、ようは道路の状態に組み上げた橋桁を船で運んできて、それを船から持ち上げて橋脚に載せるものとなる。

横浜で組み立てられた橋桁はクレーンで台船に載せられ、東京湾を約50km移動して晴海バースへ着いた
横浜で組み立てられた橋桁はクレーンで台船に載せられ、東京湾を約50km移動して晴海バースへ着いた
143m・1800tの架橋を台船でリフトアップ

 晴海運河には4本の橋脚が建っていて、ここに5分割された橋桁を順番に設置していくが、まずは橋の中央部分が架設され、その模様が公開された。

 ちなみにこの部分の橋桁の全長は143m、重量は1800tで、この大きさの橋桁を台船リフトアップ架設工法で行うのは日本初となる。

橋の下に入るには、台船のバラストに注水して船体を沈ませる。それだけに海のうねりなどにシビアに対応。当初の予定より2日遅れの作業になった
橋の下に入るには、台船のバラストに注水して船体を沈ませる。それだけに海のうねりなどにシビアに対応。当初の予定より2日遅れの作業になった

 橋桁は神戸の工場で製作された。そこから神奈川県横浜にある工場に送られ、そこで最終的な形状に組み立てられ、クレーンを使って台船に載せられる。そこから台船は東京湾を移動し、晴海運河に入り晴海大橋の下で停泊し、作業に入るという手順だ。

 この工法では重量が1800tもある橋桁を8.5mも持ち上げて位置調整し、閉合作業が行われるが、その持ち上げには台船に据え付けられた「マルチストランドジャッキ」という機材が5.2mの持ち上げを受け持ち、台船自体のバラスト排出による船体浮き上げで3.3mの持ち上げをする。

じつは、船を使っての作業のため天候に影響されやすく、当初は4月20日の予定だったが16日の段階で21日に延期され、さらに20日に22日への延期されていたのだ。

マルチストランドジャッキと台船のバラスト水の排出で橋桁を上げていく行程を表したイラスト。細かい位置修正も可能なほど、その操作は繊細に行えるレベルの動きができる
これがマルチストランドジャッキ。1基には40トンジャッキが8台組み込まれていて、1基の能力は320トンもある。橋桁は大梁に載せてありそのままジャッキアップ
これがマルチストランドジャッキ。1基には40トンジャッキが8台組み込まれていて、1基の能力は320トンもある。橋桁は大梁に載せてありそのままジャッキアップ

 このマルチストランドジャッキとは、本体に油圧で動くメインジャッキとサブジャッキが組み込まれている。このメインとサブのジャッキが交互にケーブルを掴んで上っていくイメージで、手と足を使いながら行う棒登りのようなものだ。
このマルチストランドジャッキは1基あたり320tを上げる能力があり、それが8基使われているので、計2560tのものを持ち上げることが可能。今回の橋桁は1800tなので能力的には余裕を持たせた機材のチョイスになっている。

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