【ニュル24hレース特集】ニュルブルクリンクとは?
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スポーツカー開発の聖地と呼ばれるニュルブルクリンク・ノルトシュライフェ(北コース)。近年は日産のGT-R、ルノーとホンダのFF対決といったラップタイム更新に関する話題が注目されている。
そんなニュルブルクリンクとはどんな場所なのか?

ニュルブルクリンクは、ドイツ西部のプファルツ州ケルン南方に位置するニュルブルクに、雇用と景気対策のために5000人の人員を投入して1927年に創立した。このときに建設したのはノルドシュライフェ(北コース、現在は20.832km)だ。
当時は大型重機もなく、技術レベルの異なる多くの作業者によるほぼ手作業ともいえる工事で、1m2の石を敷き詰めた上にアスファルト舗装を施している。そのため、コースは細かく波打ち、独特のアンジュレーション(うねり)を生み出している。また、路面のミュー(摩擦)も低い。
その後、幾度も改修を受けてきたが路面は荒れていて、依然アンジュレーションがひどくジャンピングスポットも存在。北コースは「世界のありとあらゆる悪路の条件を満たしたようなコース」と評され、1周走るだけで一般公道を800km走行するのと同じくらいのダメージを受けるといわれるほど、車両への負荷は他のコースと比較にならないほど大きい。
つまり、ニュルブルクリンクのコースを一定以上のレベルで走るためには、高いスタビリティと挙動安定性、そして高低差300mを難なくクリアできる動力性能とブレーキ性能、上下方向にも掛かる高負荷にも耐えられる高いボディ剛性を備えていなければならない。
さらに、コースサイドのエスケープゾーンは極端に少なく、ブラインドコーナーが連続するコースを攻略するには、ドライバーが安心感を持って乗れるインフォメーション性能も必要。まさに車両の性能がすべて丸裸にされてしまうコースなのだ。
それがニュルブルクリンクが車両開発現場としてこれ以上最適な場所はない、と言わしめる所以だ。
また1984年には、南側に位置するF1も開催されたグランプリコース(南コース、5.1km)が建設された。ニュルブルクリンク24時間レースでは、北コースとこのグランプリコースの両方を使った全長25.378km(コーナー数は北コースだけで172を数える)で行われる(スタート&ゴール、およびピットはGPコースのものを使用)。
このように世界一過酷なサーキットと呼ばれるニュルブルクリンクは、メーカーが開発用に使用する占有時間のほか、一般のツーリスト向けには有料道路として開放される時間もある。
レースも開催されるコースはもちろんだが、コンサートなども行なわれたりするイベントの開催地という意外なる一面を持っている。また冬季は雪のため閉鎖される。
GPコースには、ミュージアムやショールーム、ホテルにカジノといった娯楽施設が2009年秋のリニューアルに合わせて誕生している。その際にジェットコースターも設置されたが、残念ながらこれは営業はしていない。