トヨタとマツダが協業宣言。その真意は?

トヨタとマツダが協業宣言。その真意は?

 5月13日夜、トヨタとマツダが緊急共同記者会見が開催された。
トヨタ自動車の豊田章男社長と、マツダの小飼雅道社長が出席したこの会見で明らかにされたのは、トヨタとマツダが業務提携に向けて基本合意したという驚きのニュースであった。

協業の調印は5月13日に行われたそうだが、詳しい時間や調印場所については未公開
協業の調印は5月13日に行われたそうだが、詳しい時間や調印場所については未公開

 ただし、あくまで今回は基本合意の発表であり、具体的な提携内容については触れられることはなかった。プレスリリースには『「クルマが持つ魅力をさらに高めていく」ことを念頭に、両社の経営資源の活用や、商品・技術の補完など、相互にシナジー効果を発揮しうる、継続性のある協力関係の構築に向けた覚書に調印した』と記されている。
じつは数日前から一部報道で両社の関係が取り沙汰されており、その中ではトヨタが燃料電池を、マツダが内燃エンジン技術をそれぞれ供給するといった話も出ていた。しかしながら会見では、そうした具体的な発表は一切ナシ。会見に続いて行なわれた質疑応答、さらに別室での囲み取材まで含めて、具体的な話が出ることはなかった。

「まだ婚約会見という段階」と豊田章男社長はコメント
「まだ婚約会見という段階」と豊田章男社長はコメント

 明らかになっているのは、両社で提携内容についての検討委員会を発足させるということのみである。実際、これは隠しているのでも何でもなく、詳細はまだまったく決まっていないということのようだ。
しかし、ヒントが皆無だったわけではない。キーワードは『従来の枠組みを超えた提携関係』という言葉。従来の提携関係のようにプロジェクトごとに組むのではなく、中長期的な視野で必要となる事案について包括的に協業していくことが念頭に置かれているようなのだ。
また『人材育成』という言葉も頻繁に使われていた。
トヨタは愛知県、マツダは広島県と、故郷を大切にする意識を強く持つ両社。グローバル化が進む自動車産業で今後も戦い抜くために、これら地元ひいては日本にて世界に通用する優秀な人材を育てられる環境を作らなければという意識は共通のようである。
とは言え、まだ曖昧模糊とした印象が拭い去られたわけではない。特に、マツダにとってはハイブリッドにしろ燃料電池にしろ得られるものは少なくないのに対して、トヨタにとっての提携のメリットは、今イチ見えにくい。
しかしながら、会見での両氏の表情が、非常に晴れやかだったのも、また事実。お互い依存し合う関係ではなく、ともに戦うパートナーとなれるならば、想像を超えた何かが産まれる可能性は十分ある。まずは、そこに期待というところだろうか。

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