ハイブリッド「レス」で戦っていた日産GT-R LMニスモの真実

ハイブリッド「レス」で戦っていた日産GT-R LMニスモの真実

 ル・マン24時間レース終了後、日産GT-R LMニスモについての興味深い情報がたくさん出てきた。

nissan一番の「ええっ?」はハイブリッドシステムを使っていなかったこと。日産GT-R LMニスモはハイブリッドシステムを搭載するため、普通のLMP1クラスより不利なレギュレーションが適用される。ハイブリッドシステムを使えば、多少の不利さもカバー出来るワケ。

nissan しかし日産GT-R LMニスモはハイブリッド開発が間に合わず、1ヶ月ほど前に本番で稼働させることを断念したという。ちなみに日産GT-R LMニスモのハイブリッドシステム、減速エネルギーでフライホイールを高速回転させ、立ち上がり加速時に使うという機械的なもの。回生エネルギー2MJという最小クラスだった(数値が大きい方がエネルギー放出量が大きい。アウディが4MJ。ポルシェ8MJ)。

 ふたつ目は「本来なら後輪も駆動するハズだった」というもの。確かに最初に出回った写真を見ると、後輪にモーターが組み込まれていた。この写真を見て私は「基本FF(前輪駆動)ながら立ち上がり加速時など後輪にも駆動力を掛けるだろう」と書いている。本来の計画なら「その通り!」だったのだ。全て開発間に合わず。
後輪をモーターで駆動する場合、減速エネルギーも8MJクラスになる計画だったそうな。目標通り完成していれば、減速エネルギーをたっぷり貯め込み、FF(前輪駆動)の弱点となる立ち上がり加速時に後輪を駆動。コンピューターによりシミュレーション結果ではライバルに負けない速さが可能と出ていた模様。といった話を聞くと、全て納得出来る。nissan

 課題はここからだ。ル・マンに間に合わなかった、という点を深刻に考えるべきだろう。現在の体制だと、今後も同じようなことが起きると思う。競技に於ける「間に合わない」は決定的な失敗と言って良い。そいつを痛感してるのが日産です。今後のレース活動をどうやって行っていくか、抜本的な対策をしなければなるまい。
多くの人は「FF(前輪駆動)でル・マンを勝つことなど出来ない」と言う。そんなこと日産だって解っている。本来ならFF(前輪駆動)じゃなかったのだから。今後、開発をベンボウルビーに任せている現在の体制から、NISMOも深く関わって行くようにならざるを得まい。来年のル・マンで本来の実力を見せてくれることを大いに期待したいと思う。

決勝動画

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