【パイクスピーク2015】ホンダが4WD電気自動車の研究車両を投入

 1916年にスタートし、インディ500に 次ぐ長い歴史を持つ有名なヒルクライムレース、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2015のレースウィークが始まった。

 初日はインスペクションデー、車検日ということで、コロラドスプリングスのダウンタウンにある、車検場となるワールド・アリーナ駐車場には、朝から続々とマシンが集結していた。

CRZ01

CRZrear山野哲也選手が乗るホンダの「Electric SH-AWD with Precision All-Wheel Steer」も我々の前に姿を現した。
そもそもこの参戦活動は、車両の技術開発の一環でありテストコース以外の研究開発のデータを取ることと、若手技術者の育成という命題を担っている。この開発車両の活動は3年目となり、今回のパイクスへの参加はその集大成ともいえる。

CRZfront「Electric SH-AWD with Precision All-Wheel Steer」は、ホンダが30年前から開発を進めている、ATTS (Active Torque Transfer System) からプレシジョン・オールホイール・ステアへと進化してきた理想の操舵技術と、4WDレジェンドで採用してきたSH-AWD(Super Handling All-Wheel-Drive)の先の駆動配分技術等を融合した開発車となる。CR-Zがベースになっているが、これは、ハイブリッド車のほうが電動車を作る上で比較的楽だからという理由のようだ。

CRZパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムをそのデータ取りの舞台としたことについては、空気が薄くなることの影響を受けないEVであるため目標タイムが設定しやすく、コースが難しいことからこのドライバビリティのデータを取るのには非常に有効であること、などを挙げている。

CRZbattery車両は4つのモーターを搭載し、駆動力配分制御を行なう。車両後方からボディ下を覗くと、センター部にツインモーターユニットを見ることができる。これは現在のレジェンドに搭載されている、後輪用のユニットと基本的には同じ構成となる。もちろん内容についてはレース用にモデファイされているのだが……。このレジェンドのユニットがあるため、リヤをワイドトレッド化することができたそうだ。

 冷却については、前後のモーターを2つずつ、そしてバッテリーと3系統の冷却が用いられており、ワイドになったリヤのフェンダーアーチ部はラジエターコアで埋められている。

 バッテリーやモーターの詳細について語られることはなかったが、助手席部分に搭載されたバッテリーは、今回のパイクスピーク用に増し積みされたものだという。当初の開発のみの計画では車両後部にすべて収めていたようで、増し積みとなったことでは重量配分が変更となってしまったが、しっかり走りきることを優先したという。

 前後の大きなエアロパーツ類については、40%の風洞試験も行なって製作された。このあたりはパイクスピークに向けて相当にチカラが入っている様子がわかる。

Yamano
山野哲也選手

 既にこのパイクスピークでの事前の合同テストにも参加した山野選手は「とにかくすごい」と言う。また、自身が感じた車両の挙動についても、きちんとデータで確認することができており、車両のセットアップは順調に進んでいるようだ。目標タイムは「10分台」という。

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