【パイクスピーク2015】ラトビア共和国から来たこのレーシングカー、あなたは知っていますか?

【パイクスピーク2015】ラトビア共和国から来たこのレーシングカー、あなたは知っていますか?

 ラトビア共和国から参戦のDrive eOチームが、参戦3年目の今回、ついに真打ともいえるEVマシンを、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2015に持ち込んできた。

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EO001それが、このeO PP03である。

 このDrive eOチームはこれまで、2013年に「eO(イーオー)PP01(オリジナル鋼管フレームにアクイラ社製ボディをかぶせたもので、YASA社製モーター(100kW)4基を各車輪にダイレクトに出力したマシン)」で参戦(上の写真左)。結果はリタイア。2014年は「テスラ360(テスラ・ロードスターをベースに、YASA400を2基をリアに搭載して、それを1軸で出力・減速してから後輪で駆動。600kWのキャパシティを持っているバッテリーを360kWしか使わないことから360とネーミング)」で参戦し、タイムは12分57秒536で総合97位であった(上の写真右)。

EO003今回は3基のYASA400モーターを繋いで1軸に出力するものを、前後に(都合6基のモーター)搭載。ドライバーズシートは若干左にオフセットしているが、フロントのモーターは右にオフセットして搭載されており、ドライバーとモーターの干渉を避けるため。ボディサイドにバッテリーを積み込んでいるオリジナルのマシンとなる。

 前後輪ともにモーター3基を繋いでいるわけだが、これで熱対策はどうなるのか? と訊いたところ、ピークの出力を使わずに済む、という回答であった。eO PP01で参戦した際のオーバーヒートによるリタイアは、出力をいっぱいに使ったことが原因であることから、それを回避するためだという。

EO002過去2年このパイクスに挑戦した、ドライバーのヤニス・ホレリクス選手も同行しているが、彼はあくまでも開発ドライバーということで、今回のドライバーは、これまで総合優勝も果たしたことのあるリース・ミレン選手だ。

「このレースのためにいいドライバーを探していた。何人かのドライバー候補者がいたが、車両が出来上がった状態を見せてから、ということもあり、ドライバーが決まったのは3ヵ月前になってしまった」とクリスタップス・ダンビス・エンジニアは答えている。

 リース・ミレン選手にとっても、ちょうどヒュンダイとの契約が終了し、乗るクルマが何もなくなったタイミングだった。ミレン選手のところには4ヵ月前にメールが来て、「すぐにマシンのレイアウトを見せてくれ」という返事をして、内容を確認。そして非常に興奮したと言う。ミレン選手にとっては初のEVであるのだが、以前プロトタイプのマシンで出場する際に、ハイブリッドのマシンにして出場するという計画があったという。実際には実現しなかったものの、EVで走ってみたいという思いは以前からあったのだという。

EO004結局、彼にとってこのDrive eOのマシンでの初走行は車検日の3日前。コロラドスプリングス近くのパイクスピークハイウェイでのことだった。「モーターが一個ならば、サスペンションであったりキャンバーであったりのセッティングにすぐに取り掛かれるんだけど、ツインモーターなのでパワーの出方やちょっとしたタイミングが違う」と言う。まず、そこのバランス取りをやらなければならず、他のところにまで手が回っていない状態だが、自分好みにソフトウェアの書き換えを行なってくれているので、非常にハッピーだ、と言う。

 今回はこの2015年のパイクスピークだけの契約だというミレン選手。「未だ走り込みが足りなくて、今回はパワーバランスの調整に終始してしまっているが、この良好な関係が続くなら、ぜひ来年もこのチームに力を貸して、今度はエアロダイナミクスの面をさらに手を入れていければと思う」と答えてくれた。今回の目標は、ずばり、EVクラスで一番を目指す、とのことだ。

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