今回登場したジョンクーパーワークス(MINI Jhon Cooper Works・JCW)は、それをベースに運動性能を向上させたハイパフォーマンスモデルだ。その内容は、ノーマルモデルの進化と同ベクトルにあり、パフォーマンスモデルでありながら快適であり、さらには簡単に4つのタイヤを使いきれる運転のやさしさまで備えてきた。
2L直4の直噴ターボの加給圧を2.2barまで高め、231ps/320N・mを発揮。このユニットをカタマリ感の高い車重1.3t、全長3874mm×全幅1727mmの小振りなボディに搭載し、0-100km/h加速が6.1秒という強力な加速力を実現する。
バルブトロニックやツインスクロールターボ技術などにより、ミニ史上最強のパフォーマンスを発揮する2L直4ターボエンジン。先代のJCWに比べて+20ps、トルクはノーマル時で+60N・m、オーバーブースト時は+70N・mに達している
6速ATは新設計され、効率化を追求。燃費にも貢献し先代比で約25%の向上を果たしている。もちろん6速MTも選択可能だ
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ATモデルで比較すると0-100km/h加速は-0.6秒早まった6.1秒を達成。また最高速も245km/hと先代比+10%になっている 穏やかに走るのも可能だが、注目は速さに加えて、クルマを振り回すような操作にも寸分遅れずにクルマが動く機敏性と、そのような走りをしてもリヤタイヤが滑らずにフロントタイヤの動きを追従するのでクルマとの一体感が乱れないことだ。
結果として、通常なら前後荷重や車両姿勢のバランスを整える意識や運転技術を駆使して4つのタイヤを使いこなさなければ手に入らない旋回力と速さが簡単に引き出せる。しかしその手の味付けは、知らずにクルマの限界付近の性能で走っている状況を生み出してしまい、何かしらの要因でタイヤが滑るとそれが唐突だと感じやすいという側面もあるのだ。もちろん、そういったシーンでは横滑り防止装置が危険な状況に飛び込まないように補助してくれる。
しかし、もし唐突感を嫌う、タイヤの鮮明なインフォメーションを求める、速度感や刺激を重視する、走っている感を大事にしたい人は、試乗車に装着されていたオプションの電子制御ダンパーは制御が賢すぎるので選ばないほうがいい。何はともあれ、類まれなる旋回力と機敏性をもつモデルが登場した。
JCW専用エアロを纏ったエクステリア。ノーマルのミニがもつファニーなイメージを一新
赤いルーフなど戦闘的な雰囲気へと変化させている
赤ステッチの入った専用ステアリングや専用スポーツシートなど、ノーマルのミニとは差別化されたインテリア
赤く塗装され、JCWのロゴが入ったブレーキキャリパーは、ミニ初となるブレンボ製 画像はこちら 全長×全幅×全高(mm) 3875×1725×1430 ホイールベース (mm) 2495 車両重量 (kg) 1250 1280 エンジンタイプ 直4DOHCターボ 排気量(cc) 1998 最高出力(kW[ps]/rpm) 170[231]/5200 最大トルク(N・m/rpm) 320/1250〜4800 トランスミッション 6速MT 6速AT サスペンション 前/後 ストラット/マルチリンク ブレーキ 前後 ディスク タイヤサイズ 前後 215/45R17 価格(万円・税込) 398 415