日産Xトレイル・ハイブリッドはディーゼルに代わるタフギアか?[公道試乗記] (2/3ページ)

タイヤは専用のエコタイヤを装着。市街地ではこのタイヤも、走りの質感の高さに貢献している感覚を受けた
タイヤは専用のエコタイヤを装着。市街地ではこのタイヤも、走りの質感の高さに貢献している感覚を受けた

■重いバッテリーを搭載したおかげか
乗り心地はガソリン車以上に良好

 では、いざXトレイルハイブリッドを試乗。動き出して本当に数メートルで違いがわかる。ガソリン車よりも質感が高いのだ。日常的にCARトップの長期リポートでガソリンモデルに乗り慣れているだけに、その違いの大きさが実感できる。ハイブリッドは、路面のギャップや段差などの乗り越えがシットリとして高級感があるのだ。
一番大きいのは60kg重い車重と前後重量バランスだろう。とくに車体後方のラゲッジボード下にリチウムイオンの駆動バッテリーを収めた関係で、リヤの動きが落ち着いているのだ。最近、HVやEV、FCVなどが続々登場しているが、電気的に繋がっている各構成パーツの配置に自由が効く点は本当に大きなメリットだ。重量物を低く積んだり中央に集めたり、Xトレイルハイブリッドのように前後バランスを改善できたりする。

 また、質感の高さに貢献しているのがタイヤだ。ハイブリッドは、ガソリン車と同サイズだが専用のエコタイヤを装着する。エコタイヤは基本的に発熱を抑えることでエネルギー損失を減らし、燃費に貢献する。タイヤはゴムだから当然変形するのだが、その変形にはエネルギーが使われ、簡単にいえば変形が大きければエネルギーの損失も大きくなるのだ。
それゆえエコタイヤはサイドウォールのたわみを減らしたり、ブロック剛性を上げて変形を減らしているのだろう。今回は市街地で試乗を行ない、そこではタイヤ自体のブルブルっという振動が抑えられ、質感の高さに繋がっていると感じられた。ただし転がり抵抗低減とトレードオフ関係にある、絶対的なグリップ力に関しては市街地なので試せていない。

エクステリアもインテリアもガソリン車との違いはほとんどない。外観はハイブリッドエンブレムの装着
エクステリアもインテリアもガソリン車との違いはほとんどない。外観はハイブリッドエンブレムの装着

 気になるポイントもある。ブレーキのタッチだ。リニアさに欠け、グラム単位のペダル踏力と減速力が感覚に合わない。回生ブレーキを利用しているハイブリッドやFCVなどでは少なからずこのような傾向があるが、各社かなり熟成を進めているのが現状だ。そうした他車からみると、Xトレイルハイブリッドはもう少し頑張ってほしいとうのが正直な感想である。
さて、ハイブリッドならではのEVモード。エンジンを使わずにモーター駆動だけで走ることだが、市街地ではあまりEVモードに入らなかった。というのもスカイラインなどに比べ、バッテリー容量が小さいのだという。普通に発進すると信号待ちから5mぐらいはEVモードだが、スグにエンジンがかかる感じだ。しかも、エンジンの始動がかなり意識させられるのだ。

ガソリンとの違いは、、室内はメーターにエネルギーフローの表示が出る程度だ
ガソリンとの違いは、、室内はメーターにエネルギーフローの表示が出る程度だ

 EV走行中は非常に静か、ところが発進数メートルという、まだ車速もかなり低い時点でエンジンがかかる。その速度域ではタイヤと路面が発するロードノイズやいわゆる風切り音も少ないため、エンジンの始動が強調されてしまう、という具合である。
ただしガソリン車に比べてアイドリングストップ時間は圧倒的に長い(試乗時の信号待ちでは一切かからなかった)。また、ハイブリッドはエアコンを電動化しているため、停車中もエアコンの風がぬるくならず車内を快適に保てる(冷房時)。これからの季節はとくに差が出るだろう。

画像ギャラリー