【パイクスピーク2015】EV初の総合優勝と日本人の活躍

【パイクスピーク2015】EV初の総合優勝と日本人の活躍

 今年のペースカーのホンダ新型NSXがスタート地点からゴールまで上がりきり、ついにパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2015の決勝がスタートした。

PPIHC_Final001今年は、まずバイクプログラム1が走り、続いて4輪全車が予選タイム順に出走。4輪が終わったところで、サイドカーやクアッドという車両のバイクプログラム2が出走することになる。

 この日の山頂の天候は快晴。天気予報でも一日好天に恵まれるという予報であった。
バイクプログラム1は驚くほど順調に全車の走行が終わっていた。しかし、これが4輪になると一気に様相が変わる。度々出される赤旗、そしてリスタート。さらには天候の悪化で今回のレースは大波乱となったのである。

PPIHC_Final002PPIHC_Final0094輪ポールスタートとなったEV改造車クラスのリース・ミレン選手(#3 Drive eO P003)は、ボトムセクションのピクニックエリアあたりから、リアのモーターがセーフモードに陥りリアの駆動がアイドリング状態。残りのコース(ほぼ8割?)を「アンダー出まくり」のFF状態で走りきった。そのタイムは9分07秒222(総合1位)。このトラブルが無ければ8分30秒台は狙えたという。

PPIHC_Final007出走4番手の田嶋伸博選手は、タイミングを計りつつ、リース選手の結果を確認してからタイムアタックを開始した。しかし、田嶋選手もブレーキトラブルが発生。急きょ回生ブレーキ量を最大に変更して対応し、なんとかゴールした。タイムは9分32秒401で、リース選手に続く総合2位を獲得した。
「28年間パイクスピークにやってきたけれど今回が一番怖かった。ゴールした後も制動力が出なくてクルマを右に左に振ってなんとか止まった。帰り(下り)は回生でも止まれないからどうしようか…」と思案顔。しかし、最終的に車両のセットアップがしっかりと決まったこともあり、ゴール後は終始笑顔が絶えることはなかった。総合3位には、オープンホイールクラスに参戦したポール・ダレンバック選手が入った。

PPIHC_Final003今回のパイクスピークに初参戦した山野哲也選手の#901 Honda Electric SH-AWD with Precision All-Wheel Steerの出走順は4輪部門の20番手。その出走直前にクラッシュなどが頻発し、予定よりも1時間近く待たされた形だった。

 しかし、逆に赤旗中断後の前走車が1台もいない状態で、前を気にすることなくフルアタックが可能であったという。練習走行が毎日朝5時から9時までだったため、この決勝の12時前後での路面状況は今まで実際には体験していないタイミングであったが、暴れる車両を抑え込みサミットまで登り切った。結果は10分23秒829のタイムでエキシビジョンクラス1位(総合14位)を獲得した。

 山野選手は「路面は練習走行の時とは異なっていたけれど、しっかり攻め切ることができました。今回の自分の役割である研究開発の性能を引き出すという点においてはしっかり集中してクリアすることができたと思います。『パイクスピークは毎日変わる』という言葉があるりますが、まさしく今日は今日の路面。これ以上無理という走りができた。満足しています。当初はシミュレートで10分30秒をターゲットタイムとしていましたが、実際に走ってみたところそれは無理ではないかという感じでした。日本でマシンを仕上げたのですが、実際にパイクスに来たら全然違っていて、これを合わせ直して、決勝には現在自分たちが持ちうる一番走りやすいセッティングになりました」とコメント。

 パイクスピーク初参戦について訊いてみると「これがパイクスピークだ、ということが実感できた。ここに来るまでは『来ないほうがよかった』と後悔するんじゃないかという気持ちがありましたが、ここで毎日過ごしてきて、だんだんパイクスを自分のものにしたくなってきました。たった1回のチャレンジで終わるのではなく、(もっと参戦を続けて)パイクスピークのレジェンドたちのように、歴史に残るような人になりたいと思うようになりました」と、パイクスピークの魅力を感じ始めている様子であった。

 


PPIHC_Final0112輪部門では、岸本ヨシヒロ選手(MIRAI Idaten-Zeroでエレクトリックモデファイドバイク部門)が10分58秒861でクラス優勝(総合29位)を果たしました。岸本選手は前回よりもひと回り小型のフレームに載せ換え、より軽量化をして参戦。しかし、途中でモーターのオーバーヒートで制御が入ったため、後半は我慢の走行を強いられたものの「10分台へ入れることができて満足」とコメント。

PPIHC_Final012新井泰緒選手(カワサキのZ1000MKIIで2輪パイクスピークチャレンジ-UTV/エキシビジョン部門)は同クラスのKTMにわずか2秒足りず、11分18秒667でクラス2位、総合37位となった。昨年よりも15秒短縮したことになる。初参戦の時の「何をやっても楽しい」から「走りにより集中」できたということだ。ただし、目標としていた10分台には入れることができず、次回へ持越しとなった。

PPIHC_Final008サイドカーの渡辺正人&栗原 亨ペアは、日本勢で唯一、短縮コースでの走行となってしまったが、みごと2年連続のクラス優勝(フルセクションでのタイムはないため、総合順位は下位に下がってしまっている)となった。

 パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2015は、78台が頂上のゴール地点まで到達。レース距離短縮となった後半では、47台がゴールした。125台完走、8台がリタイヤという結果となる。

 1916年にスタートしたパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム。次回の開催は、100年の記念大会となり、2016年6月26日が決勝と予定されている。

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