【パイクスピーク2015】ついに電気自動車が総合優勝する日が来るか

6月28日(日)に決勝を迎えるパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライム2015。開催まで1カ月を切り、事前の練習走行会直前というタイミングだが、6月2日付の最新のエントリーリストが公開された。
今年のパイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムに参加するのは、4輪76台、2輪71台(5月末よりも1台減)。日本人のエントリーは以前ここで紹介した通り。エレクトリッククラスに参戦する田嶋伸博選手、そして2輪部門の電動バイクの岸本ヨシヒロ選手、サイドカーで挑戦している渡辺正人選手、カワサキのZ1000MkIIで参戦の新井泰緒選手。そして山野哲也選手となる。
先日、具体的な参戦体制が発表されたモンスター田嶋こと田嶋伸博選手が参戦する電気自動車改造クラス(エレクトリック・モデファイドクラス)には、5台の参戦が予定されている。
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そして、そのリースが乗るのが、ラトビアのDrive eOチームのマシンとなる。2013年の eO PP01は、レーシングマシンを利用した4モーターマシン。残念ながらコースアウト。
2年目となる2014年はモーター2基に40kWhのバッテリーを積んだ軽量なテスラ ロード
スターをベースにしたテスラ ロードスター360、というマシンでエントリー。12分57秒536、総合97位というあまりぱっとしない成績だった。
2回とも、ドライバーにはラトビアのプロドライバーであるヤニス・ホレリクス選手。この2014年のレース後「来年は4基のモーターを搭載した車両で参戦するということは決まっている。次は9分台を狙う」とコメントしていたのだが、ドライバーを変更しての挑戦となったようだ。
今回のマシンは2015年式eO PP03。その詳細は不明だが、最大トルクは110N・m、最高出力507kW(680 hp)いうとんでもないマシンのようだ。リース・ミレンのオフィシャルページには、ここに掲載しているモーターの写真が掲載されている。YASAモーターを3基結合させたもので、これがフロントに搭載される。リアには別のユニットが搭載され、合計6モーターで駆動するという。
パイクスピークを長年戦ってきたリースのドライブとの組み合わせとなれば、モンタジといいライバル対決になりそうだ。この2台は間違いなく今年の優勝候補に挙げられる。ついにEVによるオーバーオール(総合優勝)のタイミングがやってくる、かもしれない。
エレクトリック・モデファイドクラスには、他にEntropy RacingのEVSRという車両が3台出場する。
そして、 電気自動車市販車クラスにも注目の名前がある。ライアン・ミレン選手だ。ライアン選手は、スコアシリーズやバハなどのオフロードレース、そしてCM等のドライバーとして活躍する。リース・ミレンの弟である。
彼は、ゼッケン230の2014年式トヨタRAV4 EVで挑戦する。この車両は昨年TRD USAのシャシーエンジニアリング担当副社長のスティーブ・ウィッカムさんが乗った車両と思われる。
パイクスピーク2015は、レーシング・ファミリー、ミレン家から2名がEVクラスに参戦することとなる。