直線でメーター読み、時速270km超。地面と同化しているような感覚さえ抱く低重心&低いドライビングポジションにより生み出される驚異的な安定性と旋回力。そこに足の動きと同化反応するエンジンと刺激的な排気音が相まって、別世界へとトリップするような気持ち良さと興奮を得られる。
富士スピードウェイの長いホームストレートの最高速は270km/h超。GTマシンは1分39秒台で周回する
5.2LV10エンジンをコックピット後方に搭載するミッドシップレイアウトを採用ランボルギーニから昨年デビューした、5.2LV10エンジンを搭載するスーパーカー「ウラカンLP-610-4」のサーキットでの実力は、想像をはるかに超えるものだった。速度域の絶対的な高さの前に「こんな速度で曲がっていいのか?曲がれるのか?」と、恐怖心を抱く場面があるほど。
最高出力610ps、最大トルク560N・mを発揮する5.2LV10エンジンに7速デュアルクラッチトランスミッションを組み合わせ、その力を4輪駆動が余すことなく路面に伝える。しかもカーボンとアルミ素材から作り上げられた軽量&高剛性ボディにより、時速0-100km加速は3.2秒。この性能に合わせて価格は2970万円。
このクルマをサーキットで全開ドライブ。そんな体験はスクアドラ・コルセのおかげ。ランボルギーニはモータースポーツへのステップアップをサポートする態勢をR&D部門に設けた。それがスクアドラ・コルセで、ランボルギーニの凄さを知ってもらう体験走行(Esperienza)から、ランボルギーニを使いこなす運転技術を得るスクール(Accademia)、そして軽量&後輪駆動に仕立てたウラカンでのワンメイクレース(SuperTrofeo)と究極のレースカー(GT3)につながるプログラムが組まれている。
富士スピードウェイのコース上にパイロンを設置。スラローム走行を体験今回は凄さを体験するEsperienzaなわけだ。左右にハンドルを切るスラロームなども用意され、ドライビングモードにより旋回力が明確に変わる体験もできた。ちなみにストリート用のSTRADAでは、フロント30%:リヤ70%の割合で4輪駆動が調整。これがSPORTだとフロント18%:リヤ72%となり、リヤがブレイクするバランスになるので操っている感がほしい時にはうってつけ。
そしてサーキットでは性能重視のCORSAが優れている。エンジンのダイレクトすぎるほどの反応と、日常では近所迷惑になりそうな刺激的な音、快適よりも速さを優先したシフト変速プログラム、そして加速と旋回を高次元でバランスさせるフロント30%以上:リヤ70%以下の4輪駆動制御。結果として冒頭の別世界の走りが手に入る。
何はともあれ、レースカー並みのこの性能がそのまま手に入る……。凄い時代になったものだ。
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隊列を作って走行。追い越しは禁止されているが、先導車はアヴェンタドール。ホームストレートのトップスピードは250km/h超
ホイールは20インチの鍛造製(写真はMIMAS)。カーボンコンポジット製ブレーキローターを装着する
ステアリングの下部にドライブモードスイッチを配する
センターコンソールの赤いフタの下がスタータースイッチ。シフト操作は、写真左のスイッチで行なう
アルカンターラの表皮のシート。サーキットでは、ホールド性が高いシートがほしくなるほど撃速
レポーターはモータージャーナリストの五味康隆さん
画像はこちら <写真:佐藤正勝>