クルマ好きなら知っておきたい自動車文化遺産「船橋サーキット」

クルマ好きなら知っておきたい自動車文化遺産「船橋サーキット」

■伝説のレースが行われた
日本で二番目に完成した名サーキット

 WEBCARTOPが勝手に選ぶ“自動車文化遺産”の第四弾は「船橋サーキット」!

 オープンは1965年7月1日。1962年に誕生した鈴鹿サーキットに次ぐ、日本で二番目の本格的なレーシングコースだった。
元F1ドライバーのイタリア人、ピエロ・タルッフィがコースのデザインを担当し、反時計回りの3.1km、2.4km、1.5kmという一つのサーキットで3通りのレイアウトを可能とした。
オープニングレースは、1965年7月18日の全日本自動車クラブ選手権(CCC)だ。
本年は2年前からはじまった日本GPが中止となり、このCCCが国内最大のビッグレースに取って代わった。

船橋
1965年に行われた第1回全日本自動車クラブ選手権

 黒沢元治、高橋国光、北野元、長谷見昌弘などのトップドライバーが集結した。雨の中、接触でピットインして1周弱も遅れたトヨタ800の浮谷東次郎が、ホンダS600の生沢徹を猛追。最後に大逆転したGT-Iクラスは、今でも語り継がれる名勝負だ。
そのような船橋サーキットは、東京からもアクセスが便利で、観客席のどこからでもコース全体を見渡せた。ちなみに、経営母体は日本の都市型総合レジャー施設のパイオニア「船橋ヘルスセンター」の運営会社「朝日土地興業株式会社」だ。サーキットの隣には、遊覧飛行機用の滑走路まであるような先進的な施設だった。

 ここは間違いなく、日本のモータースポーツのメッカになり得る要素を持ち合わせていた。だが、オープンからわずか2年後の1967年7月に閉鎖され、現在の船橋オートレース場に転用された……。
ちなみに「船橋ヘルスセンター」は、現在の「ららぽーとTOKYO-BAY」だ。オートレース場の隣には、あの屋内スキー場「ららぽーとスキードームザウス」(1993~2003年)があった。この跡地には北欧家具を販売するIKEAの国内一号店「IKEA船橋店」などが軒を連ねる。

 現在、船橋サーキットの名残が残っているのは以下の3カ所。

  • 船橋オートのグランドスタンド。船橋オートのグランドスタンドは、船橋サーキットのメインスタンドをそのまま流用されたとされる。
  • バックストレート。約600mのバックストレートは、IKEA沿いの直線路だったと思われる。
  • 360R。コースの一番奥で、折り返し地点となるソックスコーナー(現在の東関道・JR京葉線の高架橋下付近)から、最終コーナーへ向かう弓状のロングコーナー。360Rは連絡路で、ちょうどそのRに沿い工事用のフェンスが並んでいた。

 船橋サーキットの跡地に建てられた船橋オートレース場(全国初の専用走路で、オートレース発祥の地といわれる)は、2016年3月末日で廃止されると発表された……。

 栄枯盛衰を見るようで、とても寂しい。船橋サーキットの面影を懐かしむなら、今年度中に訪れてみることをオススメする。

  

  

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