[ライバル比較]SUVの1000kmツーリングでわかった5台の違い! (2/3ページ)

5車5様の乗り心地とハンドリング特性だが悪路で差が出た!?

 乗用車的な車高と、優れたボディ剛性による素性だろう。ティグアンはボディの剛性から始まり、足まわりのしなやかな動き、さらには重量バランスを含めた総合的な仕上がりで安定性を得ている印象。若干、足まわりのブッシュに路面入力の負荷が集まりプルプルした振動が発生するが、突き上げ感はマイルドで乗り心地もよく快適。

 対してヴェゼルは足まわりが硬く、ハンドルの切り出しへの反応にダイレクト感があり、旋回特性が優れる。気になるのは突き上げ感。とくにリヤが硬めなので、試乗して後席を含めた快適性をチェックしたほうがいい。

 今回テストしたヴェゼルはリヤ比重が重いハイブリッドの2WDのガソリンモデルだった、4WDモデルであれば乗り心地は改善されただろう。

 CX-3とSX4はGLAにも準ずるレベルの安定性をもっているが、ハンドルを切り込んで行くと、途中から強い旋回力を感じる。重心が高い分一定レベルを超えるとロール方向への負荷が増える感じだ。ハンドルを意識して丁寧に切れば気にならなくなるが、「わだち路」などには注意すべき。それでもCX-3は4WDを選ぶとその特性が穏やかになり、SX4ならドライブモードをオートにしておくと抑制できる。

 次なる目的地は「千里浜なぎさドライブウェイ」。世界でも珍しい砂浜のドライブウェイである。走る場所を選ばないとスタックする危険性もあり、こういった環境ではいうまでもなく4WDのティグアンとSX4が心強い。2WDの中ではCX-3が走りやすい、低回転から豊富なトルクを発生できるディーゼルは、ぬかるみのような砂場でもアクセル開度を抑えてジワジワ進める、雪道においても強そうだ。

砂浜が道路となっている「千里浜なぎさドライブウェイ」。砂浜の減少しているそうだ
砂浜が道路となっている「千里浜なぎさドライブウェイ」。年々、砂浜が減少して道幅が狭くなっているそうだ

  

5車中唯一のディーゼルエンジンを搭載するCX-3。低速域から太いトルクを発生し、コントロール性の高さも相まって路面状況の悪いところでも扱いやすい
5車中唯一のディーゼルエンジンを搭載するCX-3。低速域から太いトルクを発生し、アクセル操作に対する反応も良好で路面状況の悪いところで扱いやすい特性

 ガソリンの場合、GLAが積む低回転トルクが豊富な直噴ターボでさえ、ある程度アクセルを踏んで回転を上げないとほしいトルクが得られず、タイヤがスリップすると勢いよく空転してスタックしそうになる。

 SX4は4WDの前後トルク配分をオートやスポーツ、ロックなどモードを選択できる。スポーツを選ぶとリヤにも駆動を配分し、曲がりやすい特性だ。ロックモードにするとフロントとリヤが同調して動き、後ろが押す力と前引っ張る力が調和して、クルマのボディ剛性が上がったかのようにビシッと真っすぐ走ってくれる。

 トータル性能に優れているのはCX-3だ。運転席に座った瞬間にジャストフィットする心地よさがいい。ディーゼルエンジンの圧倒的な力強さも魅力を増している。

201-207_03_実画この感覚に近いのがGLAだ。エンジンも1250rpmから最大トルク200Nmを発生して扱いやすい。加えてディグアンも最大280Nmのトルクを発揮する。だが両車に共通する弱点はDCTとの相性の悪さだ。アイドル付近ではトルクが細く、巡航するまギクシャクしてしまう。そつなくバランスした性能を持つティグアンゆえに惜しい。

 SX4は走行ペースを上げるとコントロール性が若干犠牲になる。パワートレインも同様に、アクセルの踏み込み量と加速感のリニアさが乏しい。

 ヴェゼルはエンジンとCVTのマッチングはいいが、ブレーキのタッチ、とくに踏みはじめが若干過敏S。丁寧に操作しないとカックンブレーキになり、ハイブリッドモデルも含めてヴェゼルで気になる点だ。

 激戦コンパクトSUVクラス完成度の高いモデルが多く、いかに不満点や違和感を出さないかが重要だ。

 今回の1000km走行であらためてCX-3の高い実力を実感した。

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