2012年6月に生産終了したロータリーエンジンは復活するか? (1/2ページ)

2012年6月に生産終了したロータリーエンジンは復活するか?

■ロータリー復活の予兆?

 先日、あるネット媒体の記事に投稿したら、反響の大きさに驚いた。その理由は記事の内容が自動車好きには堪らない、マツダの次期ロータリーエンジンの予測であったからだ。

 私が投稿したのは、それに関してちょっとした情報があったためだ。それは自動車ジャーナリストなら、誰でも知っていることで、2008年第40回東京モーターショーで、マツダは「RENESIS 16X」という新型ロータリーエンジンを展示した。私は、この16Xの開発が今でも続いていると考えている。

第40回東京モーターショーに展示されたRENESIS16X
第40回東京モーターショーに展示されたRENESIS(レネシス)16X

 当時、このエンジンについてのマツダの解説は、燃焼室形状の最適化であった。ロータリーエンジンにおいて、そのローターの半径(R=トロコイド)とローターの幅(B=厚み)は、レシプロエンジンのストロークとボアに相当する。レシプロエンジンにおける最近のトレンドは、ロングストローク/スモールボアであり、ロータリーエンジンに置き換えるとRが長く、Bが薄いローターとなる。16Xは従来の13Bに比べ排気量がやや大きいが、燃費低減のトレンドに沿った「R」と「B」の採用と言える。

レーシングカーの787Bに使われたローター
レーシングカーの787Bに使われたローター

 ここで、過去のマツダの量産ロータリーエンジンを振り返ってみる。開発順に並べると、10A、12A、13A、13B、20Bとなる。これらのエンジン呼称は、最初の二桁の数字がエンジンの排気量を示し、最後のアルファベットは開発順を示す。たとえば、「10」は排気量が約1000(982)cc、「12」は約1200(1146)cc、「13」は約1300(1308)cc、「20B」は2000(1962)ccである。

1969年に発売されたルーチェロータリークーペ
1969年に発売されたルーチェロータリークーペ

 これらのエンジンは、13A(ルーチェ・ロータリー・クーペに採用)を除いてロータリーエンジンのデビュー以来、「R」(トロコイドディメンション)は一貫して同じであり、「B」を変えることで異なった排気量を設定してきた。

 それは、ローターハウジングの内面加工に同じ専用機が使われていることを意味している。「R」の大きな13Aも切削工具や研削工具を変えれば、同じ専用機で加工ができるはずだ。だが、最初の10AからRX-8用の13Bまで50年近く使われてきた専用機は、今では各部の磨耗で加工精度が低下しており、新型ロータリーエンジンの量産には設備の更新が必須となっている。一方でマツダは、レシプロエンジンのブロックやヘッドの加工に、NC(切削)マシンを多数並べて、トランスファーマシンのように使っている。NCマシンはプログラムを変えれば、ロータリーエンジンのローターハウジングなどの機械加工にも対応できる。ただし、ローターハウジング内面の仕上げには、専用機が必要かも知れないが…。多数の円弧をつなぎ合わせて、ペリトロコイド曲線を置換するので良いならば、NCマシンで仕上げ加工が可能となる。

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