トヨタの決算説明会で世界が見える!?

トヨタの決算説明会で世界が見える!?

■国内販売台数は減少しても増益って
どんな努力と効率化が行われているのか?

 自動車ファンにとってメーカーの決算説明会と聞いて何を期待するだろうか。過去の経験を思い出すと、通常の決算(実績などの数字発表)になにかしら期待をさせたい際に、私たちにとっていくつかのニュースとなる場合がある。

 たとえば、中長期の戦略を説明する際に、どんなジャンルの車種を何台リリースするかなどの計画をざっくり公表したり、目玉となるヒットモデルのフルチェンジ概要の一部の技術説明をしたり、といった具合だ。
好きなメーカーの株を持っている人や多くのファンにとっては「これからどんな展開になるのか?」とか「注目のあの車はいつでる? フルチェンジはいるごろ?」といったあたりに期待が集まるはずだ。

 本日トヨタが開催したのは1年を4分割した決算の説明会だ。今回は2016年3月期の第1クオーター(第1四半期=4~6月までの3ヵ月)ということで、いわゆるクルマ好きには注目のトピックスがあったわけではないが、それはそれでなかなか興味深い内容だった。

左から橋本博広報部長、大竹哲也常務役員、京田靖経理部長。この3名で決算報告が行われた
左から橋本博広報部長、大竹哲也常務役員、京田靖経理部長。この3名で決算報告が行われた

  

アメリカ市場ではSUV系の大型モデルの人気が復活
アメリカ市場ではSUV系の大型モデルの人気が復活

 世界の地域別に見てみよう、まずは国内。前年比で販売台数こそ50万6000台から47万台に減ったが、営業利益は逆に1098億円増の4758億円となっている。円安による輸出増やトヨタお家芸の原価低減などによって利益を増やしている。

 市場全体が回復しつつある北米市場はどうだろう。前年比で販売数は1万9000台増の72万9000台だったが、営業利益は14億円増の1511億円に留まった。現地では原油(燃料)安から、かつてのような大きなサイズの車種の人気が戻りつつある。具体的にはピックアップトラックのタコマやSUVのハイランダーなどだ。

アジア向けにはハイブリッド車を市場投入する予定だという
アジア向けにはハイブリッド車を市場投入する予定だという

 また各新聞社が注目していたのが、欧州とアジアの動向だ。
欧州、といっても不確定要素が大きいのがロシア市場。原油安による政情不安や通貨の不安定もあり、市場全体もトヨタの実績も前年比では60%台に落ち込んでいる。同様に、経済成長の鈍化が露わになりつつあるのが中国。マレーシアなども含めたトヨタのアジア地域では5万7000台減の32万8000台、営業利益も1割減の1000億円だった。

 記者からは決算についてだけでなく、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)政府間合意見送りやイランへの経済制裁解除の伴うトヨタの展開について、また中国やロシア、そして日本国内の市場そのものの動向に関連した質問も多かった。トヨタ自動車は日本が世界に誇るグローバル企業だから当たり前かもしれないが、決算説明会を通じて世界のあちこちの社会情勢や政情について想いを巡らせたり、各仕向地にどんな車種が展開されているのか、そして日本との関わりをあらためて考えるいいきっかけになりそうだ。

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