メディアが一切報道しない中国の「運転免許証」事情

メディアが一切報道しない中国の「運転免許証」事情

モータージャーナリスト中谷明彦さんが中国で外国人向けの自動車免許を取得

 中国の交通事情については様々なニュースが伝えられている。その多くは混沌とした交通環境やルール無視の無謀な運転シーンなど国際社会の常識からは理解不能な状況であることが多い。そんな中国で自動車運転免許を取得することになった。中国免許取得
じつは2〜3年前からちょくちょく中国へ出張することが増えている。かの国では急速な経済成長にともなって、自動車の保有率が二桁ペースで高まり自動車販売台数はアメリカを抜いて世界一。年間2000万台以上ものクルマが売れているというのだ。

 それだけに自動車専門のメディアも増え、カー雑誌やネット媒体は数百以上もある。そんなメディアから請われて国内で行っているのと同様なモータージャーナリストとしての活動を北京を中心に行っている。
だが、中国では欧米で有効な国際免許は使用できず、外国人は専用の試験を受験し合格しなければならない。中国免許取得これまでは試験場やサーキットなど免許を必要としない場所でのテストドライブを中心に活動してきたが、より現地のメディアとしてユーザー目線での評価が可能となるように免許を取得しようということになったわけだ。

 外国人免許は視力検査を身体検査そして筆記試験によって行われる。視力検査は日本と同じようなものだが右や左、上、下を中国語で答える必要がある。言えなければ指で示しても大丈夫だ。
そして筆記。100題出題されるなかで90点以上が合格点となる。幸い日本語の選択も可能なのだが、漢字が日本語にはない中国の新簡易字だったり、訳が変だったり読解に苦労させられる。中国免許取得

 しかし何より交通ルールが理解できないのが一番難解なのだ。例えば道路上で子供どもが遊んでいたら「クラクションを鳴らして注意喚起する」がマルかバツか。

 日本ではクラクション鳴らすのは緊急時以外は御法度だが、中国では○。必要に応じてクラクションを鳴らさなければならない! そんなケースが多々ある。中国免許取得

 一応参考書も日本語版が用意されていて200ページあまりを読破したが、同じ状況説明がページによって正反対。どちらが正しいか現地中国人スタッフも分からないというし、違反の罰金額とか法律違反で収監されるか拘束されるかなど微妙な言いまわしが理解できないなど難題だった。

 結果3回受験して1回目81点で不合格。2回目88点で不合格。3回目91点でようやく合格! となった次第。
交付されたその日に早速北京に市街地をテストドライブ。そこは皆本当に免許持っているのか!? と疑いたくなる異常な交通状態だ。中国免許取得

 聞けば現在30代の人は免許はお金で買えるし、歩行者も自転車もバイクも免許も持っていないから交通ルールを知らないとか。どうやら免許取り立ての僕が周辺では一番交通ルールに詳しく正しい運転をしているのかもしれない。中国免許取得

 とにかく「目が8つなければスムーズに走れない」といわれるほど凄まじい交通環境を今後マスターしていかなければならない。こんな中をスムーズに走れる中国人。そのうち凄いF1ドライバーが登場してくるのは間違いないだろう。

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