オープニングエディション、リミテッドの2グレードを用意するFFモデルがセールス的には主流になるだろう。多彩なボディカラー展開もあって、幅広い層に支持されそうだ 試乗会場にはズラリ7色のレネゲードが並んだ。ホワイト、ブラックというベーシックなボディカラーも用意されるが、鮮やかなオマハオレンジ、シエラブルー、ソーラーイエローがひと際目を惹き、無骨さを払拭しているようにも映る。
ジープの中ではコンパクトサイズではあるが、“らしさ”を漂わせるワイドフェンダーを採用したことで全幅は1805mmと存在感は十分。テールライトにもデザインされたジュリー缶のマークは、エクステリアとインテリアの数カ所に隠れるようにちりばめられている これはかなり女性ユーザーを意識したのでは? という気もするが、「作り手が欲しくなるクルマ」を目指した結果、女性を含めた幅広い層に受け入れられるであろうデザインになったという。
インテリアも新しさと遊び心が随所に感じられる。エアコンの吹き出し口やシフターベゼル、フロントスピーカーベゼルを囲むクランプなど、日本車にはない感性が生かされている。
そして、見える部分と触れる部分の質感にこだわったことで、ワンランク上の空間を生み出している。
さて、ジープブランドの一員であるからには、一番気になるのが走行性能だろう。パワートレインは2タイプ。
ひとクラス上のモデルにも採用される2.4Lエンジンは4×4のトレイルホークに搭載。低回転域から十分なトルクを発揮し、さまざまなシーンでNAならではの自然な走りをみせる 最高出力103kW(140ps)/5000rpm、最大トルク230NM(23.5kgm)/1750rpmの1.4Lターボ+6速DCTと、129kW(175ps)/6400rpm、230Nm(23.5kgm)/3900rpmのNA2.4L+9速AT。駆動方式は、前者がFF、後者が4WDとの組み合わせとなる。
見た目こそ大きな違いはないが、都会的なSUVを求めるなら燃費性能にも優れた1.4Lターボ。よりクロカン的な走破性を求めるならNA2.4Lを選択することになるだろう。
このパワートレインにも、新世代ジープならではの要素が詰め込まれている。
9月下旬に日本でも発表が予定されているフィアット500X、こちらとフロアは共用しているのだ。
また、1.4Lターボエンジンもフィアット製。会社がFCA(フィアットクライスラーオートモビルズ)となったことで、ジープというブランド価値を新しいカタチで高めている、それがレネゲードなのだ。よって、生産はイタリア・メルフィ工場となる。まさに“新型ジープ”なのだ。
画像はこちら 1.4Lターボにデュアルクラッチの6速ATを組み合わせたFFモデルは、トルクフルな走りと燃費性能を発揮
車両価格はオープニングエディション(FF/1.4Lターボ)の297万円から。マツダCX-3やボルボV40、ミニ・クロスオーバーあたりになるだろう。気になる走りの詳細は9月17日発売の「ニューカー速報プラス・JEEPレネゲード」、9月26日発売のCARトップで紹介する。
中央に5インチタッチパネルモニターオープニングエディションとトレイルホークには運転席6ウェイ、助手席4ウェイマニュアル調整機構を標準装備。より豪華なリミテッドではフロント8ウェイパワーシートを装備する
TFT液晶ディスプレイを搭載したフルカラー7インチマルチビューディスプレイを標準装備。運転しながらさまざなま情報を確認することが可能だ
アルマイト加工のアクセントがお洒落で独特の質感を漂わせる。随所に色と素材感にこだわっているのはレネゲードの特徴でもある
40:20:40の分割可倒式リヤシートを採用。乗員や荷物量に応じて有効にスペースを使うことができる。積載容量は通常時で525L、リヤシートをフラットに倒した状態で1440Lを確保。リバーシブル高さ調整機能付カーゴフロアも、さまざまなシチュエーションで活躍する
オープニングエディションは16インチ、リミテッドとトレイルホークは17インチを採用。4×4のトレイルホークのみオールシーズンタイヤを装着する
中央のXマークは、米軍のジープが搭載していたガソリン携行(ジュリー)缶に使われていたデザインを採用
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