世界156カ国の環境に対応できるトヨタ新型ディーゼルに注目! (1/2ページ)

世界156カ国の環境に対応できるトヨタ新型ディーゼルに注目!

■極寒の北欧から灼熱の砂漠まで統一スペックで対応可能

 トヨタが国内向けのランドクルーザー・プラドに8年ぶりのディーゼルエンジンとなる、GD型エンジンを投入した。日本でのトヨタのパワートレーンといえばハイブリッドのイメージが強いが、実は世界トップランクの乗用車ディーゼルエンジンメーカーでもある。いよいよ巨人が実力発揮だ。

新開発されたGD型ディーゼルエンジン。2.4リッターと2.8リッターをランアップする
新開発されたGD型ディーゼルエンジン。2.4リッターと2.8リッターをランアップする
新型ディーゼルエンジンを始めて搭載したのはランドクルーザー・プラド。2.8リットルターボを採用する
新型ディーゼルエンジンを初搭載したのはランドクルーザー・プラド。2.8リットルターボを採用する

 トヨタ自動車は、乗用車用では1.4リッターのND型から、4.5L-V8のVD型まで4機種のディーゼルエンジンを持ち、2014年には年間100万台を生産。これはVW、フォード、PSAに次ぐ世界4位の規模となる。中でも、ランドクルーザーやIMVシリーズ等に搭載される2.5リッター/3リッターのKD型ディーゼルエンジンの生産台数が多いのだが、先進国だけでなく新興国に及ぶまで販売されており、なんと156カ国にも達している。

ランドクルーザーしかし、気象条件や道路事情、使い方が開発国の日本では想像できないほど過酷な地域もあり、世界展開は容易ではない。エンジン本体や排ガス浄化装置、制御などを作り替える必要があるという。
例えば、アルゼンチンは標高4400mと空気が薄く、北欧はマイナス60℃という極低温になる。空気を圧縮させたときの高温で着火させるディーゼルでは、薄い空気では圧縮させるものが少なく温度が上がらないし、外気が低温でシリンダー内の圧縮温度が上がらず始動が困難な状況になる。その他、砂漠や冠水路、劣悪な燃料やオイル、過積載など過酷な条件にも対応しなくてはならない。

仕向地別に触媒は17種類、制御系は100種類以上を用意している。写真は、新型1GD型ディーゼルエンジン
仕向地別に触媒は17種類、制御系は100種類以上を用意している。写真は、新型1GD型ディーゼルエンジン

 そこで従来のKD型では、それらに対応するためエンジン本体の燃焼だけで10種類、触媒で17種類、エンジン制御で100種以上を使い分けている。デリケートなコモンレール式ディーゼルを地球全体に送り出しているのは、トヨタだけと言っても過言ではないほどなのだ。

 ということで、トヨタのディーゼルは先代のKD型でも凄かったのだが、GD型は燃焼を世界統一スペックに揃えて、世界展開をスピーディにすることを狙って開発された。
これは近年の圧縮温度を下げてNOxを下げるというクリーンディーゼルの手法は全く通用しない、非常に難易度が高いものだ。

  

  

新型ディーゼルエンジン誕生に驚きの事実を
トヨタ自動車エンジン開発推進部(兼エンジン設計部)濱村芳彦主査が語る

画像ギャラリー